旅

2026.10.31 09:00

過剰観光にも変化の兆しが 人気観光地や繁忙期を避ける旅行者が増加

観光客が行き交うイタリア北東部ベネチアのリアルト橋(Getty Images)

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

気候変動の影響を懸念する旅行者の行動にも変化が

オミオの統計によると、気候変動がもたらす暑さについても懸念を抱く人が増えていることが分かる。

advertisement

● 暑い天候の際は旅行計画を変更すると回答した割合は72%に上り、うち39%は別の月に時期をずらし、27%は涼しい時間帯に合わせて1日の行動計画を立てると答えた。
● 真夏の繁忙期を避ける動きも一般的で、37%が別の月や季節に旅行すると回答した。21%は、暑さを避けるために涼しい場所や標高の高い目的地を選ぶと答えた。
● 旅行中も猛暑を避けるために、29%が時間帯や経路、交通手段を調整するとしたほか、23%は涼しい時間帯に合わせて1日の行動計画を立て直すと答え、17%は移動や乗り継ぎを早朝、夕方、または夜間に済ませるといった対策を講じていることが明らかになった。

これは、ここ数年の傾向とも一致している。涼しい場所で休暇を過ごす「クールケーション」を選ぶ旅行者が増えているのだ。耐え難い暑さだけでなく、それに伴う森林火災などの異常気象の危険性が高まるにつれ、この傾向は今後も強まっていくだろう。

気温が比較的低い地域や標高の高い地域、あるいはこれまで夏の大規模な観光地とは見なされてこなかった場所にとっては、こうした変化が新たな機会をもたらすかもしれない。他方で、訪問者数の増加が、現地の社会基盤や自治体が受け入れられる能力を上回った場合、新たな負担となる恐れもある。

advertisement

持続可能な観光に主眼を置いた旅行ブログ「アース・トゥー・エディトリアル」を運営するエリン・ゴードンは次のように述べている。「涼しい目的地を選んだり、繁忙期を外して旅行したりしたからといって、それが必ずしも『責任ある旅行』になるとは限らない。旅行者が単に過密状態にある目的地から、観光客の急増に対する備えができていない別の地域へと移動するだけなら、問題の解決にはならない。それは単に場所を移しているだけだ。問うべき問題は、地元住民の生活の質を損なうことなく訪問者を迎え入れるための社会基盤や資源、そして地域社会の受け入れ態勢が、その目的地に整っているかどうかという点だ」

結局のところ、それが決定的な要因となる。最大の課題は、観光産業の多くが地中海沿岸のような過剰観光に陥りやすい場所に集中している中で、現在の計画や仕組みが、旅行者にこうした場所をどの程度回避させることができるかという点にある。

2027年に向けた状況を展望すると、心強いことに、過剰観光について考慮したり、クールケーションや代替地への訪問を計画したりする旅行者が増えている。こうした動きが過剰観光の緩和につながるのか、それとも単に問題を別の場所へ移すだけになるのかは、旅行者自身の意識のあり方と、受け入れ側が訪問者を迎えるための準備をどれだけ整えているかに大きく左右されることになるだろう。

(forbes.com 原文)

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事