旅行者の間で最近、オーバーツーリズム(過剰観光)やそれに伴う影響への懸念が高まっているようだ。注目すべきは、新たな観光地が旅行者の動向の変化にどれだけ対応できているか、また2027年に向けて「アンダーツーリズム(観光客が少ない場所への旅行)」の傾向がどの程度現れ始めているかという点だ。
人気観光地の「代替地」への移行
交通予約アプリを運営する独オミオは、英世論調査会社ユーガブと共同で、世界の旅行者の最新の動向に関する報告書を公表した。両社は、2027年に旅行する可能性が高い英国、米国、ブラジル、スペイン、イタリア、ドイツの成人を対象に調査を実施した。
それによると、人々の旅行意欲は高まっており、「旅行の頻度を増やしたい」と回答した人は43%に達した。前年の調査では32%だった。一方で、調査対象者の中には旅行計画を立てる際、過剰観光の問題を考慮に入れる人もいた。
具体的な行動の変化としては、繁忙期を避けて旅行する(22%)、現地の風習や訪問者向けの規則を事前に調べる(15%)、混雑した観光地を避ける(14%)、人気観光地の近くのあまり知られていない場所を訪れる(12%)といった点が挙げられた。これは、旅行への強い意欲は依然としてあるものの、一部の旅行者は、時期や目的地、あるいは事前調査の程度を見直していることを示している。
混雑や猛暑を避けたいという願望は、宿泊予約サイト世界最大手ブッキングドットコムの調査にも表れている。旅行者の間では今夏、混雑した目的地の代わりに、人気観光地と雰囲気が似ていながら混雑が少なく、場合によってはより安価な場所を選ぶ動きが見られた。同社は「旅行者の29%が、有名観光地と同様の体験ができる代替地に関心を示している。この傾向は、思い出に残る体験をしながら混雑を避け、費用を抑えるとともに、本質的な旅をしたいという意識が高まっていることを反映している」と説明した。
ブッキングドットコムは別の調査でも、旅行者の持続可能性に対する姿勢に変化が見られると報告している。同社の調査では、混雑の少ない目的地を求める旅行者の44%が「観光公害の一因にはなりたくない」と回答した。
とはいえ、代替地への移行が必ずしも過剰観光の解決策になるとは限らない。多数の旅行者が既に飽和状態にある人気観光地から、小規模で知名度の低い場所へと移動したとしても、単に負荷が別の場所に移るだけかもしれないからだ。



