東京の複雑な道路で問われるロボタクシーの使いやすさ
トヨタとWaymoが普及を目指すのは、限定された条件下でシステムがすべての運転操作を担う「自動運転レベル4」の車両だ。運転手がいなくても走れる仕組みだが、道路や状況を問わず無条件で走行できるという意味ではない。東京は、無人タクシーにとって難しい試験の場になる。高速道路も難所だが、住宅街の狭い道、予測しにくい動きをする自転車、場所を選ばず突然止まる配送車、混雑する乗車地点には、さらに異なる難しさがある。
無人運転車が地図に記録された経路を難なく走れたとしても、実際の乗り降りでは問題が起こり得る。例えば、交通量の多い道路で乗客が待つ側とは反対側に停車したり、突然の通行止めに対応できなかったりすれば、乗客の利用体験は台無しになる。トヨタが重視する車両の信頼性と日本交通の運行経験も、Waymoのソフトウェアと同じくらい重要になるかもしれない。
ロボタクシーは運転手不足を補い、乗客の信頼を得られるか
事業としての合理性も十分にある。日本では高齢化と将来の運転手不足を背景に、移動を支える輸送力を増やす必要がある。特に、従来のタクシーを利用しにくい時間帯や地域では、追加の輸送力が重要になる。Waymoと日本の提携企業は、ロボタクシーで人が運転するタクシーを補完すると説明する。運行台数が増えるにつれ、ロボタクシーが実際にどのような形で既存のタクシーを補うのか、厳しく見極められることになる。
私は40年近く日本の自動車産業を取材し、次の革命をもたらすと紹介された技術を数多く見てきた。決定的な瞬間は、たいてい華々しいものではない。普通の人が、日常の移動を新しい技術に任せられるかどうか判断するときだ。トヨタとWaymoにとって、その瞬間は東京の乗客がアプリの「配車を依頼」をタップし、空の運転席を見ても車に乗り込むときに訪れるのかもしれない。


