経営・戦略

2026.11.02 07:00

日本で14年連続首位「スシロー」がニューヨーク進出、高コスト市場で利益を生む経営モデルを試す

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2015年の撤退を経て、スシローが米国事業を再構築

スシローは2015年にも米国市場へ進出した。持ち帰りメニューを中心に展開したが、間もなく撤退している。タナカによれば、当時関わっていた投資会社が主導した進出だったという。今回は米国事業を慎重に一から築き直しており、タナカ自身も2023年からボストンを拠点に市場の理解を深めてきた。

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タイムズスクエア店は回転ずしと個室のコース料理を併設

タイムズスクエア店は3フロアで構成する。1階と2階では主力の回転ずしを提供し、地下には料理の内容と価格があらかじめ決まったコースを提供する個室を設ける。地下の個室では新たな事業モデルを試す。

すしを初めて食べる人から食べ慣れた人まで、子どもから高齢者まで、幅広い客層を対象とする。観光客の多い立地だが、繰り返し来店する固定客を増やすことを目指している。

国内の人口減少と競争激化を見据え、スシローの運営会社は海外事業を成長の柱に据える

日本のすし業界では大手チェーンの存在感が増している。店舗データを調査・提供する日本ソフト販売の2026年版調査によると、2026年7月時点で国内のすし大手15チェーンの店舗数は合計3712店だった。全国約1万9000店のすし店の約20%に相当する。食材の仕入れ、技術の導入、店舗運営で規模を生かせるため、チェーン事業者の重要性が高まっている。

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国連によると、日本の人口は2020年の1億2600万人から2050年には1億600万人へ減る見通しだ。人口減少は回転ずし業界の国内需要を縮小させ、国内のチェーン同士の競争をさらに厳しくする。

2035年度までに海外売上比率55%を目指し、カナダ進出も検討

FOOD & LIFE COMPANIESは海外展開を成長戦略の柱としている。グループ売上高に占める海外事業の割合を2026年度に35%、2035年度までに55%へ高める目標を掲げる。海外ではフランチャイズ方式に頼るのではなく、直営店を重視する。店舗運営を安定させ、持続的に成長するためだ。

「タイムズスクエア店の運営が安定したら、カナダも含め、まず東海岸を起点に他の場所への出店を検討する」とタナカは話す。

くら寿司が先行する米国市場で、スシローは安定的な利益を生めるか

すし市場には成長の機会があるが、すでに競合も進出している。くら寿司はカリフォルニア州に27店、テキサス州に17店を構え、全米で計97店を展開している。

米国の水産業界団体National Fisheries Institute(NFI)の傘下には、すし関連団体Sushi Councilがある。Sushi Councilがまとめた2026年の報告書によると、米国のすし産業は飲食店、小売店、その他の販売経路を合わせて220億ドル(約3兆4595億円)規模に達した。うち飲食店の売上高だけで約160億ドル(約2兆5160億円)を占める。スシローには、競争が激しくなる米国市場で需要を継続的な収益に変えることが求められる。

スシローの米国展開は、米国人のすし人気だけで成功が決まるものではない。食材の品質、技術、大量の注文をさばく店舗運営を組み合わせ、日本と大きく異なるコスト環境でも継続的に利益を上げられることを示す必要がある。タイムズスクエア店で事業モデルが通用すると証明できれば、北米の他の地域へ進出するための足場になり得る。

(forbes.com 原文)

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