経営・戦略

2026.11.02 07:00

日本で14年連続首位「スシロー」がニューヨーク進出、高コスト市場で利益を生む経営モデルを試す

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国内売上高首位のスシローがこだわる食材の品質と食事体験

富士経済の『外食産業マーケティング便覧 2025』によると、スシローは国内の回転ずしチェーンで年間売上高首位を14年連続で維持している。FOOD & LIFE COMPANIESの2025年度連結売上高は4296億円(約28億8000万ドル)で、2021~2025年度の年平均成長率は15.57%だった。業界2位のくら寿司は2025年10月期の売上高が2451億円(約15億6000万ドル)、同じ期間の年平均成長率は13.52%だった。

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スシローを業界首位にしているものは何なのか。FOOD & LIFE COMPANIES USAの社長兼CEO、ヨウスケ・タナカは「創業当初から品質を非常に重視してきた。高品質なすしは誰もが楽しめるものであるべきで、利益はできる限りお客さまに還元しようとしている」と話す。

品質を重視する姿勢は、売上高に占める食材費の割合である原価率にも表れている。政府保有の法人情報を提供する経済産業省のgBizINFOによると、2025年のスシローの原価率は46%で、外食業界平均の約30%を上回る。くら寿司の2025年度の財務データでは約41%だった。スシローはできるだけ新鮮な料理を提供するため、2004年に食材を一括調理する施設「セントラルキッチン」を廃止した。

ニューヨークでは日本と同じ価格を維持できず、支払額に見合う価値で競う

スシローはアジア市場で広く事業を展開し、世界各地の仕入れ先と取引するネットワークを築いてきた。安定した供給網は、食材コストの抑制に役立っている。ただし、ニューヨークでは家賃、人件費、保険料などの間接費が高く、コスト管理が最大の課題となる。日本と同じ価格水準を維持することはできない。

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「競う相手はすし店だけではなく、ファストフードチェーンを含めた他の飲食店もだ。客が会計するとき、支払った金額に対して最も価値を感じてもらえるようにし、他店との差別化を図りたい」とタナカは話す。

スシローは、すし飯を温かい状態で出し、天ぷらも熱々でさくさくの状態で届けるなど、細部にこだわって差別化を図る。メニューは200品あり、幅広い客の好みに対応する。卓上の注文画面には食事中に遊べるゲームも用意し、食事を娯楽として楽しめるようにする。タイムズスクエア店はチップを求めない方針で、客は支払総額を見通しやすくなる可能性がある。

「日本では、手早い昼食、友人との気軽な食事、家族での夕食など、さまざまな理由でスシローを利用してもらっている。すしを食べに出かけるときには『スシローに行こう』とよく言う。ティッシュの代名詞として『クリネックス』が使われるように、英語でも『Let's Sushiro』という言い方が広がればうれしい」とタナカは話す。

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