サイバー防御向けプログラム「Fairwind」を通じ、利用先の組織を審査
グーグルは、サイバー防御向けのプログラム「Fairwind」を通じてCarbonを提供する。Fairwindは世界で650を超えるパートナーと連携しているが、650超の組織がすべてCarbonを使えるわけではない。グーグルが優先するのは、政府機関、重要インフラの運営者、中核的な技術プラットフォームの運営企業だ。サイバー防御能力の評価に取り組む大学などの研究室も申請できる。希望する組織はグーグル・クラウドの担当窓口に連絡し、過去のセキュリティー対応状況などについて審査を受ける。
Carbonの利用条件は未公開、既存の詳しい利用規則はArgon向け
先に触れたように、CarbonはFairwindを通じて一部の審査済み組織に先行提供される。ただし、社内の利用部署などに関するCarbon固有の詳細な条件は公開されていない。Fairwindの公式ページが2026年10月31日時点で掲載している利用規則は、先行モデルArgon向けだ。
Fairwind経由で提供されるArgonへのアクセスを認められるのは、参加組織内のサイバーセキュリティー、インシデント対応、侵入テストを担当するチームだけだ。
Argonを利用するパートナーには、フィッシングに耐性のある多要素認証と、利用した従業員の記録が義務付けられる。アクセス権の転売や共有は禁止される。脅威を模擬した検証、ソフトウェアの仕組みを分析するリバースエンジニアリング、マルウェア解析は許されるが、マルウェアの作成は認められない。
アンソロピックはGlasswingで限定提供とソフトウェア保守の支援を進める
AI開発企業のアンソロピックも2026年4月、サイバー防御の取り組み「Glasswing」で高性能AIの限定提供を始めた。発足時のパートナー12社・団体にAIモデル「Claude Mythos Preview」を提供した。参加組織には、アマゾンのクラウドサービスであるAWS(アマゾン ウェブ サービス)、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、グーグルなどが含まれる。重要なソフトウェアの保守を担う40を超える他の組織にもアクセスを認めた。
アンソロピックは、AIモデルの利用料金に充てられる最大1億ドル(約157億円)分の利用枠を提供すると約束した。オープンソースソフトウェア(OSS)の安全対策に取り組む団体への400万ドル(約6億2900万円)の寄付も表明した。Mythos Previewを一般公開する予定はないとも説明している。
Glasswingは参加対象を拡大し、利用資格の審査も3段階に
アンソロピックは6月2日、15カ国以上の約150組織へ参加枠を拡大する方針を発表した。新たな組織も、利用を始める前にセキュリティー審査を受ける必要がある。約150組織のすべてが利用を開始したという意味ではない。
アンソロピックは9月に後継モデル「Claude Mythos 5.1」を発表した。10月6日には、サイバーセキュリティー分野でAIを使う組織向けの審査制度を3段階に拡大した。通常の防御業務、許可された侵入テスト、重要システムを対象とする高度な試験に応じて、利用資格や安全管理の条件が異なる。Glasswingの既存参加組織は、再審査を受けずに、高度な試験向けの「Specialized Access」へ移行する。審査を受けた組織は、Mythos 5.1を含む高度なモデルの利用を申請できる。


