新型宇宙機がいよいよ母港に到着
10月28日午前、Apeironは米アリゾナ州メサにあるヴァージン・ギャラクティックの製造施設を出発。母船「イブ(VMS Eve)」に固定されてフェニックス・メサ・ゲートウェイ空港を飛び立ち、隣のニューメキシコ州にあるスペースポート・アメリカに午後早くに到着した。Apeironの宇宙港への移動が完了したことで、商業宇宙飛行の復活計画は大きく前進した。
ヴァージン・ギャラクティックのマイケル・コルグレイザー最高経営責任者(CEO)は「今朝、われわれは機体を『Apeiron』と名付けた。そして本日午後、Apeironは母港に到着した」と述べている。古代ギリシャ語で「無限」を意味する機体名称は、全世界を対象に行われた一般投票を通じて選定され、83カ国から投票が集まった。
「ライバル」ブルーオリジンは引き続き宇宙観光を休止、月探査に注力
ヴァージン・ギャラクティックの商業飛行再開計画は、準軌道宇宙旅行における最大の競合相手であるブルーオリジンが宇宙旅行サービスを休止している中で発表された。
ジェフ・ベゾス率いるブルーオリジンは、宇宙船「ニューシェパード」でこれまで90人以上の乗客を宇宙空間に運び、準軌道観光業界で最も活発な事業者だったが、2026年1月に少なくとも2年間の観光事業中止を発表。リソースを月面着陸機「ブルームーン」開発プログラムに振り向ける方針を明らかにした。
ブルーオリジンはNASAのアルテミス計画においてますます重要な役割を担っており、スペースXの地位を脅かす可能性も浮上している。有人ミッションに先駆けて貨物を月面に運ぶため同社が開発した無人着陸船「Endurance(エンデュランス)」は最近、NASAとの共同試験を完了した。
2024年6月からヴァージン・ギャラクティックが商業飛行を中断し、ブルーオリジンも月探査に注力している結果、準軌道観光専門の宇宙飛行は希少なサービスとなっている。かつて宇宙旅行を日常的なものにすることを約束したこの業界において、ヴァージン・ギャラクティックの次なる展開は、商業的な準軌道宇宙旅行が持続可能なビジネスとして確立できるかどうかの重要な試金石となるだろう。


