年齢を重ねるにつれて気になり始める肌のシミ。紫外線対策やスキンケアを丁寧に行っていても、同じ場所に繰り返し現れる根強いシミに頭を悩ませている人は多いのではないだろうか。これまで、シミへのアプローチといえば、メラニンの生成を抑えることや、蓄積したメラニンの排出・分解を促すといった細胞機能への働きかけが中心だった。しかし、富士フイルムの研究チームは、皮膚の内部構造そのものに着目し、シミができる部位特有の構造的特徴を明らかにした。
皮膚内部を高解像度で観察できる撮像機器「LC-OCT」と独自のAI画像解析技術を組み合わせた調査によると、シミがある部位では表皮と真皮の境界にある「基底膜」が真皮側へ深く入り込む、特徴的な陥入構造を生じていることが判明した。さらに解析を進めたところ、この基底膜の陥入が深い部位ほどメラニン量が増加し、皮膚組織の構造維持に関わるタンパク質「プレクチン」の量が減少しているという相関関係が確認された。


プレクチンが減少した表皮細胞を詳しく調べると、メラニンの産生に関わる因子が約80%増加する一方、メラニンの排出に関わる因子は約40%減少していた。つまり、構造を支えるタンパク質が減ることで、メラニンが過剰に作られ、かつ肌の外へ逃げにくくなるという悪循環が生じている可能性があるという。




