日本の利用者資産に影響は確認されず、暗号資産の出庫は一時停止
日本法人バイナンスジャパン(Binance Japan)は10月30日の公式発表で、国内の顧客から預かる暗号資産に今回の事件による影響は確認されなかったと説明した。国内顧客の資産は、日本の法令に従って、被害を受けた海外のウォレットとは別のコールドウォレットで管理しているという。
バイナンスジャパンでは予防措置として暗号資産の出庫を一時停止した。10月30日の発表時点では、暗号資産の入庫と売買、日本円など法定通貨の入出金は通常どおり利用でき、暗号資産の出庫は48時間以内の再開を見込んでいた。国内顧客の損失は確認されておらず、被害が判明した場合は全額補償する方針を示している。
海外のバイナンスも暗号資産の出金を一時停止し、入金は通常どおり受け付けている。10月30日の説明でテンは、11月1日までの出金再開を目指すと述べた。再開前に出金システムの安全性を検査し、顧客資産の保有状況を示す証明資料を11月2日までに公表する方針も明らかにした。
暗号資産を狙う攻撃は機器改ざんから誘拐・監禁にまで及ぶ
2026年には暗号資産の安全を脅かす事件が相次いでいる。2026年7月に始まった攻撃では、秘密鍵を管理する専用端末「Coldcard(コールドカード)」の旧版ソフトウェアで、秘密鍵の復元に使う情報(シード)を生成する仕組みの欠陥が悪用された。TRM Labsの分析によると、合計で約1816BTC(2026年10月の参考価格で約224億円)が盗まれた。
2026年10月には、マレーシアの販売店クリプトビリス(CryptoBilis)経由で販売された「レジャー(Ledger)」の端末に不正な部品が組み込まれていたことを、レジャーが認めた。
被害はインターネット上に限らない。フランスの検察当局が把握した暗号資産関連の誘拐・監禁事件は、2026年1~4月に47件に達した。2025年の1年間では67件だったと仏紙ルモンドは報じている。2026年2月には、3人の男がバイナンスのフランス法人トップの自宅へ押し入ろうとした。
「利用者の資金はSAFU(安全)」というバイナンスの言葉が今も通用するかどうかは、出金が再開された時に利用者が判断することになる。


