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2026.10.31 07:00

バイナンス「1兆円流出」ハッキング、暗号資産イーサリアムの機能を悪用──北朝鮮系関与か

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バイナンスは約1兆円の自社資金を損失補填用に確保

バイナンスは、損失の全額を顧客向け安全資産基金(SAFU)と自社資金で補填すると表明した。SAFUは、取引所への攻撃などで利用者が損失を被った場合に備える基金だ。2026年2月には10億ドル(約1580億円)相当の資産をビットコインに転換し、1万5000BTC(約1849億円)を保有している。

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攻撃者が流出直後に保有したビットコインの数量は、SAFUが保有する数量を上回る。SAFUは2019年5月にバイナンスから7000BTC(2026年10月の参考価格で約863億円)が盗まれた際にも、被害の補填に使われた。

バイナンスは10月30日の追加発表で、今回の損失に対応するため、63億4000万ドル超(約1兆17億円超)の自社資金を確保したと説明した。うち50億ドル(約7900億円)は、被害に遭った資産と同じ種類の暗号資産としてすでに保有している。残りは市場取引や取引相手との直接売買で購入を進めている。

凍結済みの約30億ドル(約4740億円)は、盗まれた後に送金を止めた資産で、回収や確認の途中にある。バイナンスが確保した63億4000万ドル超(約1兆17億円超)は、利用者の損失を補うために別途用意した資金であり、凍結済みの資産は含まない。バイナンスは顧客資産の保有状況を示す資料も公開する方針だ。

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攻撃者のウォレット残高は約4582億円、SAFU基金の約2.5倍

モレノの集計によると、攻撃者のウォレットには約29億ドル(約4582億円)の資産が残っていた。約29億ドルは流出総額ではなく、モレノが追跡した時点の残高だ。SAFU基金の評価額は約11億7000万ドル(約1849億円)で、攻撃者のウォレット残高の約40%に当たる。

SAFU基金の評価額と攻撃者のウォレット残高との差は約17億3000万ドル(約2733億円)になる。ただし、この差額はバイナンスが実際に負担する損失額ではない。バイナンスが預かる資産は1440億ドル(約22兆7520億円)相当で、攻撃者のウォレットに残った約29億ドルは、預かり資産の約2%に当たる。

バイナンス事件で発表された金額と資産の動きを整理

バイナンスが公表した事故の影響額、分析企業が追跡した盗難額や流出額、凍結済み資産、補填のために確保した資金は、金額が示す対象や集計時点が異なる。各社の発表内容と資産の状態を整理すると、次のようになる。

表1 バイナンス事件の被害・凍結・補填に関する金額一覧
表1 バイナンス事件の被害・凍結・補填に関する金額一覧

凍結された資産の一部が攻撃者のウォレット残高にも含まれているかは、各社が示した数字だけでは特定できない。集計時点も異なるため、凍結額とウォレット残高を足し引きして、回収できていない金額を正確に求めることはできない。

SAFU基金の約1849億円が、バイナンスの確保した約1兆17億円超の自社資金に含まれるかどうかも明らかではない。基金と自社資金を足した金額を、確定した補填総額として示すことはできない。

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