北朝鮮がハッキングの背後にいたのか
ブロックチェーン・インテリジェンス企業TRM Labsは、ブロックチェーン取引やその他のインテリジェンスの分析を根拠に、バイナンスの侵害を北朝鮮のハッカー集団TraderTraitorと「高い確度」で結び付ける報告書を公表した。同報告書は、「今回の攻撃には、15億ドルのBybitハッキングを含む、過去の北朝鮮関連の窃取事件と一致する特徴がいくつかある」と述べた。
過去の攻撃と同様、バイナンスの事案でも入念な事前準備が行われ、資金の出所をわかりにくくすることを目的とした暗号資産ミキシングサービスTornado Cashが使われていた。暗号資産インテリジェンス企業のPangolin Intelligenceも、このハッキングをTraderTraitorによるものとしたと、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じた。バイナンスはハッカーの身元についてまだコメントしていない。
専門家の見解
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームズ・セイファートは同通信に対し、「オンライン管理のホットウォレットから資金が不正流出すること自体は暗号資産業界では目新しいことではないが、この金額であれば最大の暗号資産取引所に対する重大なハッキングとなる」と述べた。「業界全体にネガティブな影響を与えるのは間違いなく、同様のインシデントが相次いでいる」
過去の被害事例
バイナンスが前回ハッキングされたのは2022年で、攻撃者は約5億7000万ドル(約901億円)相当のBNBトークン200万枚を不正に新規発行した。ただし、バイナンスの介入により、攻撃者が持ち出せた金額はおよそ1億1500万ドル(約182億円)に抑えられた。同業の暗号資産取引所Bitgetは9月にハッキングを受け、約3億8800万ドル(約613億円)を失い、そのうち凍結できたのは110万ドル(約1億7400万円)にとどまった。CEOのグレイシー・チェンはCNBCに対し、「多くの資金を回収できるとは見込んでいない」と語った。
予測市場「Polymarket」でも不正流出
米国時間10月29日には、予測市場Polymarketに対しても別のハッキングが実行された。同社は国際版プラットフォームでの取引を停止し、この攻撃の影響を受けたユーザーは「完全に補償される」と述べた。The Blockは、Polymarketユーザーのウォレットから約260万ドル相当の暗号資産が持ち出されたと報じた。
※編集部注:本記事は追加の情報を受け「米バイナンス、3160億円超相当の暗号資産が流出との報道──テザーとサークル上の関連資産凍結」を更新したものである


