目指すは「フィジカルAIのインフラカンパニー」
――M&Aや提携による事業拡大の先に、どのような事業を構想していますか?
谷口:将来的には「フィジカルAIのインフラカンパニー」を目指していきたいと考えています。ロボットは自分の周囲しか認識できませんが、私たちは建物全体にカメラやセンサーを入れているので、どこで何が起きているかがわかります。その情報を基にロボットが動く世界になれば、活用範囲はさらに広がります。
その前に、人とAIをつなぎたい。いまAIを使っているのは主に、パソコンに向かうホワイトカラーです。店舗や工場、物流の現場で働く人は、どうやってAIを使うのか。例えば、カメラが棚の欠品を見つけ、インカムを通じて店員に音声で補充を伝える。家電量販店で冷蔵庫の前に立つ店員に、マニュアルを読み込ませたAIが商品の特徴を耳打ちする。ロボットが説明するのではなく、人が説明し、それをAIが裏で支える。人と人が接する場面は、ロボットやAIにはなかなか置き換わらない部分だと思っています。そういう使い方は、これからまだまだ広がるはずです。
ただ、こうした技術を普及させるには、顧客の売上が上がるか、人件費が減るか、明確な投資対効果(ROI)を示す必要があります。実現にはまだ時間がかかると思いますが、現場で働く人をAIが支えることで生まれる付加価値は、これからさらに大きくなると考えています。
個人投資家との対話を重ね、時価総額100億円へ
――2026年12月期は売上高82億円、営業利益6億円を見込み、営業利益率は約7.3%となる計算です。今後、どのように収益性を高めていきますか?
谷口:まだまだ低水準です。組織を急拡大したことで、人件費が先行しているためです。規模が大きくなれば、人件費の割合は相対的に下がります。加えて、AIソリューションをどれだけ増やせるかが利益率を左右する。将来は10%以上、さらに15%、20%を目指さなければなりません。いまは一定の利益を残しながら残りを先行投資に回し、面を取ること、つまりトップラインを優先しています。


