最先端とコスト競争力を両立、大手との差を生む「セミオーダー」
――セコムやNECなど大手がいる中で、なぜ御社が選ばれるのですか?
谷口: 私たちの強みは、「最先端のテクノロジーを、そこそこの価格で提供できる」ことです。
背景には市場の構造変化があります。2000年前後まで、日本製の監視カメラは世界でも高いシェアを持っていました。しかし、デジタル化の波に乗り遅れ、2012〜13年頃から中国メーカーが台頭。その後、米中対立によって中国製品が使われにくくなる一方、日本の大手電機メーカーも事業を縮小していきました。国内の需要は増えているのに、強いプレーヤーが少ない状態が生まれたのです。
もちろん、国内にも大手企業はあります。人を派遣する警備サービスを中心とする企業もあれば、官公庁や大企業向けのフルカスタマイズのシステムを得意とする企業もあります。そのなかで、最先端の技術を手ごろな価格で導入したいというニーズに応えられることが、私たちの強みです。
私たちは年間約5000件の導入実績があり、業種や業態ごとの成功事例を数多く蓄積しています。カメラとAI、ソフトウェアなどの組み合わせは無数にありますが、そうした事例をもとに一定の型を用意し、顧客に合わせて調整する。スーツで言えば「セミオーダー」のようなものです。ゼロからつくるフルオーダーでは価格が高くなってしまう。一定の型を生かしながら、それぞれの企業に合わせて提供できることが、選ばれる理由だと思います。
――具体的には、どのような使われ方をしているのですか?
谷口:例えば食品工場では、異物混入を防ぐために製造ラインのすべてをカメラで捉えています。ただ、映像は膨大です。賞味期限が数年に及ぶ商品なら、カメラ数百台、数千台の何年分というデータ量になる。そこに温湿度センサーや機械の故障ログ、バーコードのスキャン記録を連携させると、湿度が変化した瞬間や、ある商品が通過した場面の映像といった、欲しいものだけを即座に呼び出せます。ありそうで、なかった使い方です。
――なるほど、防犯だけでなく、品質管理や業務の効率化にまで用途が広がっている、と。
谷口:そうです。セキュリティの定義そのものが変わりました。もともとは生命と財産を守ることでしたが、日本企業にとっては外からの脅威より、内部不正やコンプライアンス違反によるレピュテーションの毀損のほうが大きい。さらに工場内での事故による機会損失を防ぐための安全管理やマーケティング分析、人手不足の中で「人の目」の代わりを担う役割と、活用範囲は大きく広がっています。


