イベントのタイトルである米国の教育文化「Show and Tell(見て触れて伝える)」をもじった「Pro and tell」(「Proの晴れ舞台」)にも、今回の趣旨が表れていた。クリエイターが新しいMacやiPadを使う場面を見せ、参加者自身も技術に触れて試す。アップルの説明を聞くだけでなく、使い手の仕事を通して製品の可能性をさらに色濃く伝えようとしていた。
映画、写真、音楽、ファッションなどの分野で活動するクリエイターが、MacやiPadを組み込んだワークフローを紹介する展示も印象に残った。日本からはフラワーアーティスト東信氏が率いる『東信、花樹研究所(AMKK)』が参加し、PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Proを創作にどう活かせるかを示した。色や質感を扱うアーティストの実例を通じて、ディスプレイの性能が数値にとどまらず、作品の見え方や判断の精度に関わることが伝わってきた。
新しい製品と技術をあらゆる角度から「体験」させる
今回の製品では、新技術をユーザーの行動や用途に結び付けて見せる演出が目立った。MacBook Proではタッチ操作、iPad miniでは薄さや軽さ、耐水性が紹介され、スペックの説明にとどまらず、それらがプロダクトの使い手に何をもたらすかが明示されていた。
MacBook Proのタッチ操作は従来のキーボードやトラックパッドを置き換えるのではなく、新たな入力方法を加える提案だ。画面を指でスクロールしたり拡大したりする操作に加え、音楽制作アプリ「Logic Pro」のソフトウェアキーボードとして表示された鍵盤を指でタッチして演奏するデモも披露された。
会場でMacBook Proの実機に触れるとタッチ操作はとても滑らかで、画面上のデジタルオブジェクトに直接触れるようなわかりやすさがあった。
一方、MacBook Proの画面はヒンジの角度に制約があり、iPadのように手元へ水平に置いて操作することはできない。Apple Pencilも使えない。腕を伸ばした姿勢で画面に触れることや、指紋の付着など、日常的に使ううえで気になる点もある。操作の新鮮さを実際の作業の快適さに結び付けられるかが、今後の評価を左右するだろう。


