「運」ではなく「知識」に裏打ちされた予測市場、テキサス州の見通しは……
ギャンブルは「運」に左右される。カードの引きやサイコロの出目次第で勝敗が決まり、勝率の極めて低い馬に賭けて大穴を狙うこともある。これに対し、予測市場の価値は「知識」に裏打ちされている。予測が的中すればコントラクト(イベント契約)の価値は1ドルと評価され、外れればゼロになる。購入されるコントラクトが二者択一的な性質を持つことこそが、市場内の情報が有用であることを示している。予測市場で取引する人々は、胴元が常に勝つ仕組みのカジノで掴みどころのない幸運を追い求めるギャンブラーではない。むしろ、自らの知識を裏付けるために実際に資金を投じている情報通の人々なのである。
情報市場は、ジェームズ・タラリコの勝利を示唆している。予測市場プラットフォームのカルシでは10月30日現在、11月3日の中間選挙でタラリコの勝利を予測するコントラクトが69セントで取引されている。パクストン勝利のコントラクトの取引価格は32セントだ。言い換えれば、予測市場はパクストンの敗北を予想しているということだ。
このような結果が現在と将来に及ぼす政治的影響は計り知れない。本記事の冒頭で説明したとおりである。これは特定の政党に肩入れした見解ではない。米国経済の動きが世界にどれだけ大きな影響を及ぼすかを考えれば、米議会上下院の構成には世界規模の影響力があるという指摘である。
だからこそ今、テキサス州のあらゆる選挙に州外から莫大な資金が流入しているのだ。テキサス州の選挙結果は、州の境界をはるかに越えた広範な選挙結果に波及する。そして、米国の税制、規制、関税、気候変動政策などのすべてが、テキサス州における選挙戦のゆくえや、それらが示す将来のテキサス州の投票傾向に左右されることになる。テキサス州は「パープル」に転じつつあるのか、それともカリフォルニア州からの移住者が増え続ける中で「ブルー」へと傾いているのだろうか?
こうした変化が起こるか否かが世界経済や市場にもたらす影響は多岐にわたる。この事実は、情報に基づいて先行きを見通す手段として、予測市場が極めて大きな価値を持っていることを示している。テキサス州で起こることの影響がテキサス州の中だけで収まらないからこそ、テキサス州で何が起こるかという情報の重要性は、日を追うごとに増しているのである。


