経営・戦略

2026.10.30 11:00

「激安航空券」の時代は終わったのか、米LCCの相次ぐ値上げで薄れる価格メリット

Silas Stein/picture alliance via Getty Images

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

苦戦するLCC

また、ジェット燃料価格の高騰と人件費の上昇により、すべての航空会社、とりわけLCCは基本運賃だけでなく座席指定や手荷物料金の値上げに追い込まれている。旅行業界の調査・コンサルティング会社、アトモスフィア・リサーチ・グループのヘンリー・ハーツベルト社長はフォーブスに対し、「一般に超格安航空会社は価格競争を牽引する存在だが、現在はその基本運賃もオプション料金もすべて数年前に比べて高くなっている」と指摘する。「運航コストが上昇すれば、それを補うために価格を引き上げざるを得ないのだ」。

advertisement

今後の焦点は、一般の旅行者が運賃の高騰によっていつ空の旅から締め出されるかだ。航空各社は需要が依然として堅調だと主張し続けているものの、一部の業界ウォッチャーはほころびが生じ始めているとみている。ハーツベルトは「当社の調査では、年収10万〜15万ドル(約1600万〜2400万円)の層でさえ、旅行に使えるお金が想定していたほどないと回答し始めている」と明かす。

また、マギル大学で航空リスク管理の専門家を務めるジョン・グラデックは、価格に対する消費者の厳しい目が「いよいよ表面化しようとしている」とみている。グラデックはフォーブスに対し、「インフレと生活費の高騰がじわじわと家計を圧迫するなか、消費者は上がり続ける航空券を買いたいと思うか、そして買う余裕があるかを考え始めている。このような状況がいつまでも続くとは思えない」と語った。

ハーツベルトによると、サウスウエスト航空は10年以上前から本当の意味でのLCCではなくなっており、アクティビストからの圧力を受けて大手航空会社の手法を取り入れてからは、その傾向が一段と強まっているという。「複数の運賃プランや足元の広い座席エリアの導入、さらにはオプション商品の拡充など、サウスウエスト航空の戦略やその姿は、アメリカン航空やデルタ航空、ユナイテッド航空にますます近づいている」。

advertisement

(forbes.com原文)

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事