米国時間10月29日、グーグルの共同創業者であり、ともに世界長者番付のトップ5に名を連ねるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの資産が合計600億ドル(約9兆6000億円)減少した。親会社であるアルファベットの第3四半期決算が市場の期待を裏切る内容となり、同社の株価が12%以上急落したためだ。
フォーブスの『リアルタイム・ビリオネア・リスト』でペイジは世界4位、ブリンは世界5位の座を維持したものの、29日午前だけでそれぞれ310億ドル(約4兆9600億円)、290億ドル(約4兆6400億円)の資産を失った。
2人の資産の大部分はアルファベット株が占めているが、その同社の株価は321.89ドルから283.29ドルへと急落した。
アルファベットの第3四半期決算、Google検索の成長鈍化により売上高が市場予想を下回る
アルファベットが28日に発表した第3四半期決算では、主力であるGoogle検索の成長鈍化により売上高が市場予想を下回った。その一方で、主にAI関連事業に向けた設備投資として売上高の約40%にあたる514億ドル(約8兆2200億円)を投じていたことも明らかになった。
アルファベットの株価は年初来で10%下落しており、これに連動する形でペイジとブリンの資産も今年3月以降それぞれ約8%減少している。
ペイジとブリンは筆頭個人株主としてアルファベット株をそれぞれ約3%保有しており、議決権ベースでは2人合わせて過半数を握っている。
今回の株価急落の引き金となった四半期決算では、Google Cloudの売上高が2倍以上の307億ドル(約4兆9100億円)に急増した一方、検索事業の売上高は12%増の634億ドル(約10兆1000億円)にとどまった。これは過去2四半期の伸びを下回る水準であり、市場予想の15%増にも届かなかった。ビジネス・インサイダーによると、アルファベットがAIインフラに巨額の資金を投じた結果、フリーキャッシュフローは約91億ドル(約1兆4600億円)のマイナスに陥ったという。
巨額AI投資に対する投資家の警戒感が広がる
こうした巨額投資に対する投資家の警戒感はテック業界に広がっている。メタも先日、AIの計算インフラに対する積極投資によって四半期のフリーキャッシュフローが10年以上ぶりのマイナスに転落し、これを受けて株価が下落した。アマゾンやオラクルも同様の圧力に直面している。AI事業が収益化するのを待つあいだにも、データセンターや半導体、電力インフラへの数十億ドル規模の投資が重荷となり、社債市場での資金調達や利益率に悪影響をもたらしている。
米国の主要テック企業が今年、AI関連事業の規模拡大に投じる費用は総額7000億ドル(約112兆円)以上に達すると見込まれる。2026年の各社の投資額は、アマゾンとアルファベットがそれぞれ約2000億ドル(約32兆円)、マイクロソフトが約1900億ドル(約30兆4000億円)、メタが約1300億ドル(約20兆8000億円)と試算されている。



