家庭の回線を経由し、本人と同じ地域からのログインに見せかける
ReliaQuestの脅威調査チームは、米国時間2026年10月28日に最新の分析を公開した。分析は、レジデンシャルプロキシを使うこの手法を、データを狙うハッカーの新しい手口と位置づけている。狙いは、ログインの試みが本物の利用者と同じ地域から来ているように見せかけることにある。
研究者たちによれば、そうすることで攻撃者は「本来なら不審な動きとして検知するはずのセキュリティシステムを、すり抜けることができる」という。ここでいう不審な動きとは、思いもよらない場所からのログインや、「あり得ない移動」(impossible travel)と呼ばれることもある動きのことだ。あり得ない移動とは、同じ人が数分のうちに2つの場所から、ときには別々の国からログインしている状態を指す。
商用VPNなら見抜けた不正アクセス、悪用歴のない接続元はなぜ見分けにくいのか
攻撃者は、認証や端末の登録の通信を、こうしたレジデンシャルプロキシ経由で行う。使うのは、被害者の居場所に合わせて選んだ、実在する利用者の家庭のネットワークにつながるプロキシである。これによって、攻撃者は他の防御策もかわすことができる。
これまで同じような攻撃では、商用のVPNや、データセンターの貸しサーバーといったホスティング基盤が使われることが多かった。こうした通信元は、接続元ネットワークの評判(過去に攻撃に使われたことがあるかどうか)や、よく知られた悪用のパターンと照らし合わせれば見破れた。
ところがレジデンシャルプロキシを使われると、この手がかりは、完全に消えないまでも大きく損なわれてしまう。報告書は、その理由をこう説明している。「接続元のIPアドレスに、悪意ある通信元としての評判が定着しておらず、その場所も利用者のふだんの行動と合っていれば、そのログインは正規のものと見分けにくくなる」。


