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2026.10.31 10:15

ブロードコムのAI半導体が売上高の過半に、成長と引き換えに抱えるリスク

sauloangelo - stock.adobe.com

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米半導体大手ブロードコムの株主なら、同社がAI半導体専業メーカーへと変貌しつつある現状に、懸念を抱いているかもしれない。その理由は、1つの数字に表れている。2026年度第3四半期(5〜7月期)に、AI半導体はブロードコムの売上高の56%を占めた。第2四半期(2〜4月期)の49%から上昇している。その大半は、ブロードコムがグーグル、メタ、OpenAIといった顧客のために作るカスタムチップの売り上げだ。

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この比率を押し上げているのは何か。そして、それと引き換えに、どんなリスクを抱えることになるのか。

ブロードコムの売上高に占めるAIの割合は、なぜ高まっているのか

ブロードコムのAI関連の売り上げは、同社が手がけるほかのすべての製品を大きく上回るペースで伸びている。2026年度第3四半期のAI半導体の売上高は167億ドル(約2兆6400億円)に達し、前年同期比で221%増えた。カスタムチップの出荷は、前年同期の3.5倍を超えた。米国時間9月2日の決算説明会で経営陣は、この四半期の需要が非常に旺盛だったと述べている。

それ以外の事業の伸びは、はるかに緩やかだった。VMwareの製品など、企業の情報システムの基盤を支えるインフラソフトウェアの売上高は88億ドル(約1兆3900億円)で、前年同期比で29%増えた。一方、AI向け以外の半導体の売り上げは、わずか5%の増加にとどまった。

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経営陣は、AIの比率がさらに高まるとみている。2026年度第4四半期(8〜10月期)の売上高の見通しは348億ドル(約5兆5000億円)で、そのうちの217億ドル(約3兆4300億円)をAI半導体が占めるとしている。実現すれば、AIが売上高のおよそ62%を占めることになる。ただし、これは実績ではなく、あくまで見通しだ。

AIで成長するブロードコムが払う代償

1つ目の代償は、利益率に表れている。経営陣が示す調整後の数字(会社が一部の費用を除いて独自に計算した値)で見ると、売上高から製造原価を差し引いた粗利益の割合である売上総利益率は、2026年度第3四半期に75%だった。前の四半期から2.1ポイントの低下である。経営陣は、売上高に占めるAI半導体の比率が高まったためだと説明している。2026年度第4四半期については、カスタムチップに搭載するメモリー(他社から調達する部品)が増えるため、約73%になると見込む。2025年度第4四半期は78%だった。それでも、営業利益は売上高を上回るペースで伸び続けている。経営陣によれば、調整後の営業利益は前年同期比で92%増えた。

より大きな問題は、そのチップを誰が買っているかだ。経営陣は、2027年にはアンソロピックがカスタムチップの最大の顧客になり、2028年にはOpenAIが2番目に大きな顧客になると見込んでいる。

ブロードコムは、アンソロピックとOpenAIが計算能力(AIの開発や運用に使うコンピューターの処理能力)を確保できるよう、外部の特別目的事業体(SPV/SPC、資産保有や資金調達のために設立される法人)を使った資金調達の仕組みに加わっている。この仕組みは、投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントやブラックストーン、機関投資家などの貸し手とともに組成したものだ。SPVは2026年6月、第1弾として、アンソロピック向けの350億ドル(約5兆5300億円)の資金調達を完了した。

資金を出すのは外部の出資者だ。ただしブロードコムは、「小規模な残価保証」を提供する可能性があるとしている。SPVは、集めた資金でチップを買い取り、顧客に貸し出す。残価保証(リジデュアル・バリュー・ギャランティー)とは、顧客のリース料未払い等でチップ売却損が生じた際、ブロードコムがその残債差額を補填する契約条項だ。同社は、実際に肩代わりを迫られるリスクは低いと考えている。米国時間9月2日の決算説明会で、保証によって負担する可能性のある金額が最大でいくらになるのかを問われると、経営陣は、新たに付け加えることはないと答えた。これまでに完了した取引について、すでに示した数字に変わりはないという。

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翻訳=酒匂寛

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