――著書『会話資本主義 AIが「ことば」をぼくたちの財産にする』では、日々の何気ない会話をすべて記録してAIに分析させ、ビジネスに活用するという考え方を提示されています。この考え方を、トグルホールディングスではどのように実装されているのでしょうか。
伊藤:我々は自社でAI基盤をつくり、社内外での会話データや会議のデータ、チャットのデータもすべて収集しています。AIはその内容を分析し、社内外での会話や会議、チャットなどの中で、社員が必要としている情報をわざわざ聞かれなくても提示してくれる。そうした世界が、トグルホールディングスでは実現しつつあります。
――伊藤さんは、過去にも何度か起業され、売却も経験されています。そうした中で、一貫して起業家として大切にしてきたことはありますか。
伊藤:「技術を使って難しいことをやる」ということです。もともとは、自分で不動産の家賃をExcelの回帰分析で決めることからスタートし、Excelであらゆる業務を自動化してみるようになりました。AIに興味を持ったのは2015年ごろ。これは間違いなく世の中を変える技術になるだろうと考え、AI活用の研究に取り組んできました。
人間には、世の中を良くしたいという思考が自然に備わっていると思っています。自分の内なる声に素直になって物事に取り組み、それが成功していれば、自然と誰かを幸せにしているはず。だから私は、自分の心に従って技術で難しいことを解決することで、結果的に世の中を良くしていければと考えています。

――上場後、株価や時価総額をどのように成長させていきたいと考えていますか。
伊藤:業績目標の達成や時価総額の成長に応じ、代表取締役に対してストックオプションが発行される仕組みをつくっています。時価総額であれば3000億円、5000億円、7000億円、1兆円と段階を設けていますので、意気込みを語るだけでなく、しっかりとその目標をクリアしていけるよう取り組んでいきたいと思います。


