社会テーマは、何を望ましい状態とみなすかが地域や文化によって異なる。そのため取り組みの固有性が高く、共通の評価基準をつくることが難しい。欧米企業がスタンダードをつくっても、例えばアジアをはじめグローバルサウス(※2)には受け入れてもらえない可能性がある。だからこそ事務局は、アジア諸国と強いパイプをもつ日本企業にも、TISFDのパイロット展開に率先して参加してもらうことを強く望んでいた。日本企業のチャンスは目前にある。
ポストSDGsは、日本企業が自らの取り組みを鮮やかな「翻訳」によって世界のルールへと昇華し、事業機会を掴むチャンスである。「世間よし」を、世界に評価される価値へ。そのための2027年にしていきたいものだ。
※2 南半球に位置するアジア、アフリカ、中南米などの新興国・途上国の総称

磯谷允亨(いそや・まさゆき)◎ 2023年、東京大学経済学部経営学科卒業。同年、野村総合研究所入社。現在は野村総合研究所 政策・戦略研究室 研究員、およびエネルギー産業コンサルティング部 コンサルタントを務める。入社以来、GX(グリーントランスフォーメーション)領域の戦略立案、ルール形成支援、新規事業立案等のコンサルティング業務と、サステナビリティに関するシンクタンク業務に従事。


