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2026.10.28 10:00

AIはテック業界以外の企業に「利益をまったくもたらしていない」、投資大手のエコノミスト指摘

Amanda Andrade-Rhoades for The Washington Post via Getty Images

Amanda Andrade-Rhoades for The Washington Post via Getty Images

投資大手アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミストが、AIブームに潜むリスクについて強い警鐘を鳴らしている。だがその一方で、当のアポロや競合の投資会社はAI分野への資金供給に積極的だ。

1兆ドル(約158兆円)規模の資産を運用するアポロでチーフエコノミストを務めるトルステン・スロックは米国時間10月24日、AIはテクノロジー業界以外の米国企業に「財務上の利益をまったくもたらしていない」と指摘した。その根拠として、S&P500種株価指数の構成銘柄から主要ハイテク7社(マグニフィセント・セブン)を除いた493社では、従業員1人あたりの売上高や利益率が横ばいにとどまっており、経済全体でも明確な生産性の向上が見られないことを挙げている。

豊富なグラフを用いたスロックのレポートはウォール街で広く読まれている。その内容はアポロの投資判断ではなく彼個人の見解を反映したものだが、その論調は以前よりも著しく懐疑的になっている。スロックは今年1月、ソフトウェアの開発・運用や業務の自動化、コンテンツ管理システムといったテクノロジー関連分野におけるAIの初期の成果を挙げ、「世界は労働生産性向上の初期段階にある」と記していた。

しかし10月20日には、「企業のAI投資に対する生産面のリターンは、想定よりはるかに遅れているか、あるいはまったく実現していない」と結論づけられている。さらに24日のレポートでは、AIは「説明責任や信頼、企業文化、暗黙のルール、倫理的なトレードオフ、公平性を理解していない」としたうえで、こうした要素こそが最終的に企業の売上高や利益率を左右すると付け加えた。

ところが、スロックがこの警告を発してから約48時間後の26日、アポロはゴールドマン・サックスとともに、スペースXによる400億ドル(約6兆3100億円)規模の資金調達を主導すると発表した。この取引には、ブラックロックやゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが運用するファンドや口座のほか、KKRが助言するファンドなども参加している。さらにアポロは8月にも、他の金融大手5社とともにエヌビディアとの提携を発表し、AIインフラ向けに総額5000億ドル(約78兆9000億円)以上の外部資金を動員する目標を掲げた。アポロのジム・ゼルター社長は当時、AIの計算インフラは「長期的に大きな経済成長と生産性の向上」を牽引する存在になると語っていた。

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翻訳=江津拓哉

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