トランプ口座についてよく知らない人のために、要点を簡単に説明しておこう。この口座は米財務省が自動で登録している。対象は有効な社会保障番号を持つ18歳未満の米国の子どもだ。利用するには親または保護者が口座を有効化する必要がある。2025年から2028年までに生まれた子どもは、連邦政府から一度限りで1000ドル(約15万8000円)の拠出を受けられる。家族は原則として年間5000ドル(約79万円)まで追加拠出できる。これらの資金は課税が繰り延べられる形で運用され、低コストの米国株インデックスファンドに投資される。本人が18歳になると、口座には個人退職口座(IRA)の規則が適用される。マスクが表明したような慈善目的で贈与される株式は、承認を受ければ年間限度額に算入されない。
ビリオネアでなくてもできること
朗報は、こうした贈り物の根底にある考え方はどんな規模でも実践できることだ。
S&P500トータルリターン指数について、18年間の運用成績を1989年までさかのぼって調べてみた。出生時に1000ドル投資し、その後は毎月100ドル積み立てると仮定した。総投資額は2万2600ドルになる。結果はというと、どの期間においても18年後の口座残高は投資総額を上回っていた。
最も運用成績が悪かったのは、金融危機の底にあたる2009年2月までの18年間だったが、それでも口座残高は2万7914ドルとわずかながらプラスのリターンだった。標準的な期間では約5万4500ドルで終えており、今年9月までの直近18年間では10万4704ドルに達している。
一方、追加投資をせず、最初の1000ドルを18年間そのまま運用した場合、残高は標準的なケースで4150ドル程度までしか増えていなかった。元手はたしかに役立つが、資産を本当に築き上げるのは継続して積み立てる習慣なのだ。
米国の気前のよさは、常に国の繁栄を土台として育まれてきた。AIブームは、それに新たな章を加えようとしている。そして、AIブームを生み出している人々のなかには、次の世代にもその恩恵の一部を所有してほしいと考える人がいる。来たるホリデーシーズンの贈り物として、これ以上のものは思いつかない。


