資産運用

2026.10.28 07:00

AIブームで米国の寄付額も史上最高に 昨年約100兆円、創業者らは株式贈与も

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IPOに向けたアンソロピックの目論見書の草案によると、企業としての拠出に加え、共同創業者はそれぞれ、個人で保有するアンソロピック株式の80%を慈善活動に振り向けることを確約している。

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電子決済大手のストライプで公共財部門の責任者を務めるナン・ランソホフは、こうした動きを「米国の慈善活動の第3の波」と呼んでいる。彼女の見積もりでは、AIブームで生み出される富の効果で慈善支出は年間370億~1000億ドル(約5兆8000億〜15兆8000億円)増えると見込まれる。これは、米国人が現在行っている寄付の総額を6~17%積み増す規模にあたる。

小切手ではなく株式を

そしてイーロン・マスクもいる。彼は10月19日、こう表明した。

「来年、米国のすべての子どもに、わたしが保有するスペースX株を1株ずつ贈る。これは第一弾にすぎない」

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米国の子どもの数をおよそ7300万人とし、スペースXの株価の同日終値147.96ドルで計算すると、マスクの贈り物は総額110億ドル(約1兆7000億円)近くに相当する。世界一の富豪であるマスクは、新設された「トランプ口座」を通じて株式を譲渡する計画だ。AIによってもたらさせる富を広く行き渡らせるには、「株式を国民に直接贈る」のが最善の方法だと彼は主張している。

マスクだけではない。スペースXのグウィン・ショットウェル社長と夫は7月、低所得世帯の子ども200万人超のトランプ口座にスペースX株を寄付すると約束した。デル創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)と妻も、低所得地域の子どものトランプ口座に62億5000万ドル(約9860億円)を拠出すると表明している。マスクの場合、これまでも巨額の寄付をしている。2021年には、約57億ドル(現在の為替レートで約9000億円)相当のテスラ株を慈善目的で寄付した。

筆者もこのアイデアが気に入っている。小切手ならすぐに使ってしまうかもしれないが、株式を取得すれば、米国の創意工夫が生み出す価値の一端を保有することになり、その価値は何十年にもわたって成長し続ける可能性がある。これを通じて、若い人たちには早い段階で学んでほしいと筆者が切に願っていることも伝えられる。資産は、価値を生み出すものを所有することで築かれる、という教訓だ。

次ページ > トランプ口座やマスクの株式贈与案は資産形成のヒントに

翻訳・編集=江戸伸禎

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