ビジネス

2026.10.29 11:30

史上最大級の26億円、ロボット警備で契約締結──重要インフラの無防備な実態を改善

Jeffrey Brown/Icon Sportswire via Getty Images

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

重要インフラは数百キロ続くフェンスでも、ドローンを防げない

その問いが切実になるのが、警備の専門家が「失敗の許されない施設」(no-fail sites)と呼ぶ場所である。重要インフラや軍事基地、港湾といった、物理的に巨大な施設だ。

advertisement

こうした施設は、数百マイル(数百キロメートル以上)にわたるフェンスに囲まれていることが多く、その一部は起伏の激しい土地を通っている。そもそもフェンスで囲われていない施設もある。地上と空の両方に高度で一段上の警備の仕組みがなければ、驚くほど無防備な状態にある。

例えば、ウクライナでの戦争を思い浮かべずにはいられない。この戦争はある意味で、石油精製所や船舶、港湾、さらにはデータセンターまでを互いに削り合う、インフラの消耗戦になっている。

現実には、北米と欧州の重要インフラの多くは、ほとんど無防備に等しい。例えばフェンスではドローンを止められない。警備が手薄で狙いやすい標的(ソフトターゲット)は、いくらでも残っている。

advertisement

「警備の分野に深く入り込むにつれて、こうした標的がどれほど脆弱なのかがわかってきて、本当に驚かされました」とヘンリーは言う。

空と地上のロボットが連携、物流施設で犯罪指数が13%低下

Asylonのロボット同士は連携して動くとヘンリーは言う。例えば、ドローンが上空から何かを見つけると、24時間365日稼働の「ロボット警備オペレーションセンター」(RSOC)がロボット犬を差し向ける。ロボット犬に近くで確かめさせたり、車のナンバープレートを撮影させたりするのだ。

現在のところシステムにヒューマノイド(人型ロボット)は入っていないが、検討の対象には入っているとヘンリーは言う。

「活躍の場は広がり続けていて、データセンターはその好例です」と彼は私に語った。

「データセンターからは、言うまでもない理由で、警備の依頼が舞い込むようになっています。ですが、点検という使い道も丸ごとあるんです。扉を開ける、サーバーラックを確かめる、トレイを引き出すといったことができるか。

そういうところでこそ、ヒューマノイドをはじめとするさまざまなロボットが、システムの一部として本当に意味を持ちます。外ではロボット犬が警備し、中ではヒューマノイドが点検作業をするといった形もありうるでしょう。新しい能力と使い道が次々に生まれていて、本当にわくわくする分野です」。

ヘンリーによれば、南カリフォルニアで高付加価値の物流を担う顧客企業は、ロボット犬とドローンを組み合わせた既存のシステムを導入している。導入先の施設周辺では、犯罪指数(犯罪の発生状況を数値で示す指標)が13%下がった。

今回の発表では、ある大都市圏の水道事業体への導入例が紹介された。水道事業体に導入された1台のDroneDogは、最初の1年で4622回の自律巡回をこなし、巡回距離は5500マイル(約8850キロメートル)を超えた。その間に、警備上の異常を167件見つけ出し、人間による確認や対応につなげたという。

次ページ > 四足歩行ロボットは購入し、ドローンは規制を理由に自社で造る

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事