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2026.10.30 17:30

約1京2544兆円の企業間決済市場、マスターカードが挑むAIエージェント決済

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マスターカードが目指す、カード網に縛られない安全管理

「当社は、AIを使った商取引を安全に広げるための信頼、管理体制、技術基盤を提供し、企業がより的確に事業を進められるよう支援しています。最終的な支払い方法がカード、銀行口座間の送金、ステーブルコイン、その他の方式であっても、企業が求めるのは安全性、管理・監督、信頼性について一貫した仕組みです。ただし、取引の各段階が適切に管理され、信頼できることが前提です」とペティカンは語る。

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マスターカードの白書は、購入の承認を裏付ける証拠の扱いが、誰でも利用できるオープンな技術標準へと集約されていくと予測する。標準化が進めばマスターカードのサービスは自社カード網以外の決済にも広がり得るが、競争相手も同じ証拠を利用できる。

購買の自動化を段階的に進めるマスターカード

ペティカンは、マスターカードがHSBCとシンガポールで実施した試験を挙げる。商品を購入する多国籍企業と、調達プラットフォーム「SourceSage」、電子商取引の仕入れ先「FortyTwo」を、安全なトークン化決済でつないだ。トークン化決済は、カード番号を別の識別番号に置き換えて支払う方法だ。ペティカンによると、この試験は、アジア太平洋地域で認証されたAIエージェントを使い、実際の企業間取引を行う取り組みの一環だ。AIエージェントが承認済みの仕入れ先から商品を探し、購入を決めて、支払いまで進めることを目指す。

「企業が一夜にして購買業務をAIに任せることはないし、そうすべきでもありません。導入は段階的に進み、AIエージェントは明確に決められた条件、権限、管理体制の範囲で行動することになります。最初はAIによる分析や提案を活用し、時間をかけて信頼を築いた後、企業はAIエージェントにより多くの判断を任せるようになると考えています」とペティカンは語る。

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AIがデジタルサービスの料金を支払う仕組みを早期公開

マスターカードは米国時間2026年6月10日、ソフトウェアがデジタルサービスを購入するための「Agent Pay for Machines」を発表した。同年10月20日には、開発者向けにAPIや開発資料を利用できる早期アクセスを開始した。オープンな決済用通信規格「x402」を利用した実演では、AIエージェントが承認済みの予算の範囲内で、2社のサービス提供者に計9回の支払いを行った。AIエージェントが使う電子ウォレットはBVNKが提供した。

(※編注:x402は、HTTPのステータスコード「402 Payment Required(支払いが必要)」に由来する名称。AIエージェントなどのソフトウェアが、ウェブ上のAPIやデジタルサービスの料金を自動的に支払うためのオープンな決済規格を指す)

AIによる企業間取引を広げるには、購入者を守る仕組みが必要だ

マスターカードの白書は、2028年までにAIエージェントが仲介する企業間支出が15兆ドル(約2352兆円)を超えるとするガートナーの予測を引用している。AIエージェントが高額なミスをした場合の責任について、ゴパールは消費者が安心して取引できることを重視する。

取引のミスに備え、関係者が責任範囲と解決手順を定める

「責任は取引を成り立たせる関係者全体で負うべきであり、消費者を守る観点から仕組みを設計する必要があります」とゴパールは語る。「消費者は変化に素早く適応します。消費者が電子商取引やモバイル決済を受け入れたのは、本人確認、異議申し立ての権利、損失補償といった安全策があったからです。ただし、AIエージェントを使う商取引は、必要な基盤を構築している段階です。企業の責任者はAIを使う業務の責任者を明確にし、どの判断をAIエージェントに任せられるか、どこでは人の判断が不可欠かを定めようとしています。また、ミスが起きた場合の報告先や対処方法も決めようとしています」。

マスターカードが構想するAIエージェント向けの取引トラブル解決ツールは、企業間の争いを解決するための判断材料を提供する。ただし、特定の損失を誰がどれだけ負担するかは、取引関係者が決めなければならない。マスターカードのサービスは、別の事業者が送金処理を担う場合でも、支払い前の判断から問題発生後の解決までを支援できる。企業が必要な条件や管理体制の下でAIエージェントに購買を任せられるようになれば、マスターカードは決済処理を超え、企業の購買管理そのものに関与する立場を確保する可能性がある。

(forbes.com 原文)

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