AI

2026.10.30 17:30

約1京2544兆円の企業間決済市場、マスターカードが挑むAIエージェント決済

Araki Illustrations - stock.adobe.com

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

人の支払い判断を減らすため、マスターカードは決済データを活用

マスターカードのグローバル・コーポレート・ソリューション担当執行副社長、マーク・ペティカンは、エージェント型AIを、同社が数十年にわたり進めてきた企業間決済のデジタル化の次の段階と位置付ける。

advertisement

「運転資金を最適化するため、仕入れ先ごとにいつ、どの方法で支払うかを決めたり、大量のデータに含まれる例外的な取引をどう処理するか判断したりするには、従来、人の大きな関与が必要でした。AI、そして将来的にはエージェント型AIによって、判断をより的確に、自律的に行える可能性があります。人の仕事をさらに複雑にするのではなく、考えたり判断したりする負担を減らせるのです」とペティカンは書面による独占取材で語った。

AI実験で成功しても、全社で安定運用できるとは限らない

マスターカードの事業・市場インサイト担当執行副社長、カウシック・ゴパールによると、多くの企業は、有望なAI実験を日常業務で安定して使える仕組みに発展させることに苦労している。

「試験運用や概念実証に成功した企業は多いものの、全社でAIを安定して導入するための条件を整えた企業は少数です。導入に向けた準備が、新たな競争上の優位性になります。ただし、AIエージェントに重要な判断や自律的な行動を任せる前に、性能を評価し、結果を検証し、管理体制を強化できるようにしなければなりません」とゴパールは語る。

advertisement

仕入れ先がカード払いに応じる見込みを数分で分析

Advanced B2B Analyticsは、企業の買掛金(仕入れ代金の未払い分)のデータと、マスターカードの決済ネットワークから得られる情報を組み合わせる。仕入れ先がカード払いを受け入れる見込みを分析し、数分で結果を示す。銀行は分析結果を一覧できる画面やコンサルティングを利用し、カード決済を提案する仕入れ先の優先順位を決められる。アブサ・グループとエミレーツNBDが、初期の銀行顧客に含まれる。

「企業は決済を、単に資金を移動させる作業とは見ていません。決済データを、運転資金の改善、仕入れ先との関係強化、新たな成長機会の発見に役立つ情報源と捉えています」とペティカンは語る。「当社の調査では、仕入れ先の96%が、決済を効率化するAIによる提案に関心を示しています」。

80兆ドル(約1京2544兆円)という推計値は、マスターカードが事業機会と見込む企業間決済の対象市場の規模を示す。AIエージェントがすでに扱っている支出額ではない。

次ページ > 購入者の承認は、AIに支払い権限を与えるだけでは証明できない

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事