働き方

2026.11.01 15:00

怠惰ではなく病のサイン? 在宅勤務を装う「隠密な休暇」の蔓延

stock.adobe.com

stock.adobe.com

BRANDVOICE | Paid Program

もっと見る>

営業チームのメンバーが午後のZoom会議にログインし、南国風カクテルが画面に映らないよう注意深く移動させ、バリ島のヴィラにいることに気づかれないよう背景をぼかしている。その人は「隠密な休暇」を過ごしている。つまり、在宅勤務をしているふりをしながら、待ちに待った休暇を取っているのだ。

隠密な休暇は、経営者たちを悩ませる職場のトレンドとなっている。だが多くの場合、それ自体が本当の問題なわけではない。いつでもどこでも繋がるWi-Fiを活用して、現代労働者が悪知恵を働かせたわけではないのだ。それは、常に接続していなければならないという強迫観念に駆られた、「燃え尽きた従業員」が示す症状であり、組織内における「信頼の欠如」が引き起こした結果だといえる。

多くのリーダーは本能的に監視を強化しようとする。だが、従業員にはリフレッシュするための時間が必要だ。Gallup(ギャラップ)の調査によると、休暇日数は、プロフェッショナルが仕事を選ぶ際に重視する主要な条件の1つだ。一方で、仕事に対するエンゲージメント(熱意や愛着)の高い社員ほど、仕事からの逃避を必要としていないことも調査で示されている。

経営者である筆者も、従業員が休暇を取ることを正直に伝えず、こっそりビーチで仕事をしていることを知れば落胆するだろう。だが、その解決策は、管理職と従業員の間で「いたちごっこ」のような関係を生み出すことではない。従業員が信頼されていると感じ、仕事から離れることをためらわないような職場文化を築くことだ。本稿ではオフィスの内外を問わずリーダーが隠密休暇を減らすための3つの方法を紹介する。

「仕事のあらゆる瞬間を愛すべき」という社会通念

現代のキャリアアドバイスでは情熱が非常に重視されている。それによって「自分が選んだ職業に情熱を持っているだろうか」という、ある種の不安が生まれることがある。

率直に言うと、情熱は過大評価されている。私はオンラインフォームの会社を立ち上げたが、フォームに特に情熱を持っているわけではない。だが、人々の生活の利便性を高める自分の仕事は大好きだ。その使命を果たしているという自覚があるからこそ、仕事中に時折訪れる倦怠感やモチベーションの低下を乗り越えることができる。

800人を超える従業員を抱える会社のリーダーとして私が目指しているのは、各従業員が毎日、自分の仕事にポジティブな気持ちを抱いてオフィスを後にすることだ。私自身が学んできたことでもあり、また調査でも裏づけられているように、何よりも重要なのは仕事の質だ。仕事にやりがいを感じている従業員は活力にあふれている。仕事から逃げ出したいという切羽詰まった衝動を感じることもない。

リーダーに求められるのは、従業員が意味を感じられる仕事を増やし、単調な雑務を少なくすることだ。たとえ職務内容を微調整したり、他の部署と協働したりする必要があったとしても、従業員が自分の興味を探求できるようにすべきだろう。当社の場合、部門横断的なチーム編成が、従業員がさまざまな分野で経験を積み、隠れた能力を発見するための効果的な方法となっている。

もちろん、他の人に振り分けることのできない仕事もある。どの職務にも時間とエネルギーを奪う単調な雑務がある。そこで私は、それらの業務の自動化ソリューションを積極的に探し、うまくいった方法をチーム内で共有するよう従業員に強く促している。

意味のある仕事をしているからといって、大変な日がなくなるわけではない。しかし、こうした施策は、大変な日を乗り越える理由を人に与える。

次ページ > 隠密な休暇の根底には恐怖心がある

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事