【重要】復旧のご報告セキュリティ対策に伴うメンテナンスおよび会員機能の一時停止について

AI

2026.10.25 10:00

エヌビディアと仏ミストラルAI、半導体から航空機まで「製品設計のAI化」を狙う

Romain TALON - stock.adobe.com

欧州のAI自立に向け、モデル開発用のデータや技術を共有

ミストラルAIの産業向けAIへの進出は、欧州域外のAI企業への依存を減らそうとする取り組みとも重なる。

advertisement

OpenEuroLLMが進める、多言語AIの学習資料とデータの公開

欧州の多言語AI開発計画「OpenEuroLLM」は、学習用資料やデータセット、性能を評価する方法を公開しながら、複数の言語に対応するAIを開発している。OpenEuroLLMによると、2026年9月までに整備した資料集には、学習データ250テラバイトと36言語にわたる合成データ4兆8000億トークンが収録されている。学習途中のAIモデルの状態を保存したデータも数百件ある。トークンは、AIが文章などを処理する際の単位だ。

エヌビディアとミストラルAIは設計支援AIの共通評価基準を計画

エヌビディアも「PhysicsNeMo」という開発基盤を公開し、技術者や開発者が物理システムの振る舞いを予測する独自のAIモデルを作れるようにしている。

ミストラルAIとエヌビディアは、物理現象を扱うAIや設計エージェントの性能を比較するため、誰でも利用できる評価基準とデータセットを公開する計画だ。技術的な正確さ、複数の設計工程を最後まで実行できるか、処理時間、計算費用などを評価する。共通の基準が整えば、メーカーは提供企業の実演だけに頼らず、異なる手法を比較できる。

advertisement

重みを公開したAIモデルでも、製造業の技術依存は解消しない

AIモデルの重みを公開することと、産業向けAIシステム全体を自由に利用できるようにすることは異なる。メーカーが重みを公開したAIモデルを自社で動かしても、独自仕様のシミュレーションソフトウェアやエヌビディアのGPU関連技術、再配布できない専門的な設計データに依存する可能性がある。モデルの重みを入手できても、依存関係まで解消されるわけではない。

電力容量1ギガワットを目指すミストラルAI、計算設備は米国技術に依存

欧州のメーカーは、独自の設計データを自社の管理下に置き、欧州内の設備で動かせるAIシステムを選ぶ可能性がある。ミストラルAIも計算基盤への投資を進め、2030年までに設備の電力容量を1ギガワット規模に拡大する目標を掲げている。

ただし、計画されている計算設備の多くは、米国企業エヌビディアのハードウェアとソフトウェアに依存する。欧州企業がAIモデルの運用やデータの管理権を強めても、米国の半導体技術から自立できるとは限らない。

既存の設計ソフト企業とAI開発企業、主導権を握るのは誰か

従来の設計ソフトウェア企業は、数十年かけて専門ツールを開発し、製造企業との関係を築いてきた。AI開発企業は、技術者が設計ツールを使って進めてきた業務の自動化に加わろうとしている。製品開発を支える技術や業務の主導権をめぐり、競争の行方は引き続き注目に値する。

(forbes.com 原文)

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事