どの問題でも、世論調査は、米国人の大半がこうした極端な立場を拒み、実務的な解決策を受け入れていることを示している。
米国人のおよそ60%は、国境警備の強化と、一部の不法移民に市民権への道を与える仕組みを組み合わせた移民政策を望んでいる。議会は過去数十年の間に、こうした方向の移民改革を何度も成立させようとし、失敗してきた。米国人の4分の3は、犯罪に厳しく、同時に更生を重視する司法制度を望んでいる。
ピュー・リサーチ・センターによれば、ほぼ3分の2は、化石燃料か再生可能エネルギーのどちらかへの支持を放棄するのではなく、両者を組み合わせたエネルギーミックスを支持している。また、トランスジェンダーの人々に対する差別禁止措置を多数が支持する一方で、未成年者に対する性別移行医療(医療的トランジション)の実施や、出生時の性が男性である選手の女子スポーツ参加に対する一定の制限も支持している。
繰り返し、常識的な立場こそが多数派の立場であることが示されている。ただ、その声が聞き届けられていないだけだ。
いずれの場合も、侮蔑は妥協を政治的な致命傷に見せてしまう。
希望の根拠
侮蔑が病であるなら、尊厳が治療薬になるかもしれない。
それに賭けているのが、スペシャルオリンピックス会長のティム・シュライバー、ユタ州のゲーリー・ハーバート知事の教育政策顧問だったタミ・パイファー、ビル・クリントン大統領のスピーチライターを務めたトム・ロシャートが共同創設した団体Dignity.usだ。彼らは、政治的発言を「非人間化する侮蔑」から「相手側の人間性の認識」まで8段階で評価するDignity Indexを作成した。2026年には、Dignity.usはハート・リサーチによる全国調査Dignity Barometerも発表した。それによると、米国人の78%が互いの扱い方に不満を抱いており、政治は米国社会で最も侮蔑的な領域と評価された。
しかし同じ調査には、希望の種もある。米国人の実に87%は、侮蔑が私たちを引き裂くとき、尊厳は私たちを再び結びつけることができると考えている。米国人の約3分の2は、More in Commonが「疲弊した多数派」と呼ぶ層に属している。分断に疲れ、妥協に開かれ、争うのをやめてもよいという許可を待っている人々である。


