「核の脅し」強めるプーチン、対抗するフランス
そしてプーチンは今月1日、ウクライナを支援する欧州諸国に対して核ミサイルの使用も辞さないと警告。核の脅しを一段と強め、挑発的な軍事的威嚇に満ちた文書をロシア大統領府の公式ウェブサイトに公開した。
その数日後、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ブルターニュ沖で原子力潜水艦「ル・ヴィジラン」を使って行われた核搭載可能な新型弾道ミサイルの発射試験を電撃視察した。仏紙ル・モンドによれば、これはプーチンの核による威嚇への対抗措置だった。
ロシアが核を用いた瀬戸際政策をとる一方で、欧州では米国の「核の傘」が外されることへの懸念が高まっている。このため、フランスは英国、ベルギー、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、オランダ、ポーランド、スウェーデンといった最も強力な同盟国と、より緊密な核協力を模索し始めている。「核の傘」とまではいかないものの、フランスは戦略兵器の増強と並んで、同盟国の一部に核搭載可能な戦闘機の配備を試みる可能性もある。
プーチンが核の威嚇を強めているのは、ロシア軍が数カ月以内に北大西洋条約機構(NATO)加盟国に武力攻撃を仕掛ける前触れのおそれがあると、英キングス・カレッジ・ロンドンの研究者エレナ・グロスフェルドは指摘している。
クレムリンは、9月中旬にボリス・ジョンソン元英首相やデービッド・ペトレイアス元CIA長官が乗った列車が通過中のウクライナの鉄道路線をドローンで攻撃したのに続き、今月初めにはウクライナに滞在するすべての外国人や外交官に対し、首都キーウを離れるよう勧告。残留すれば「命を死の危険にさらす」ことになると警告した。
これを受け、欧州連合(EU)のカタリナ・マテルノヴァ駐ウクライナ大使は、X(旧ツイッター)への投稿で「ロシアはキーウに駐在する各国の外交官にこう伝えてきた。立ち去れ、さもなくば命を危険にさらすと。私たちの答えはこうだ。私たちは留まる」と宣言。「EU代表部は留まる。私たちを脅しても、欧州のウクライナ支援は止まらない。むしろ、なぜ支援が重要なのかを再認識するだけだ!」と屈しない姿勢を表明した。


