パーソナリティ研究においては、この傾向は「経験への開放性」と重なる部分がある。これはビッグ・ファイブの性格特性の1つで、新しい考え方や経験にどれほど惹かれるかを表すものだ。経験への開放性は大人になると比較的安定する。それでも質問をする、細部に注意を向けるといった開放性を表す行動は、誰でも実践することができる。
好奇心はまた、「今この瞬間」に意識を向ける上で最大の障害の1つである不安への対処にも役立つようだ。心理学者は、好奇心を「接近状態」と表現する。つまり、人をある経験へと近づける心理状態だ。一方、不安は人を経験から遠ざけ、将来何がうまくいかないかという点に注意を向けさせがちだ。この2つは注意を正反対の方向へ引っ張る傾向があるため、多くのセラピストは不快な感情を押しのけようとするのではなく好奇心を持って向き合うよう勧めている。
好奇心を高めて「今この瞬間」に意識を向ける方法
好奇心は、使えば使うほど育つ傾向がある。学術誌『The Journal of Positive Psychology』に2025年に掲載された研究では、3週間にわたって日常の些細な場面で好奇心を育む習慣を実践した成人は、比較対象のグループより好奇心が高まったことが示された。そうした習慣には、より多くの質問をすることや、日常の何気ない瞬間に興味を持って接することなどが含まれていた。
これを実践する簡単な方法の1つは、普段ならただ返事をするだけの会話で、本当に知りたいと思う質問を1つしてみることだ。特に、よく知っている人との会話で試すといい。慣れがあるからこそ、多くの人は注意を払わなくなる。そのため、ほんの少し好奇心を持つだけでも大きな違いが生まれやすい。
また、ある場面に足を踏み入れたとき、自分が何に意識を向けているかに気づくことも役立つ。もし主な目的が「良い印象を与えること」や「さっさと済ませること」であれば、意識は自分のことに留まりがちだ。一方、その人や状況について何かを学ぶことが目的であれば、意識は自然と外へと向く。
「今この瞬間」に意識を向けるために、心を静めたり、自制心を高めたりする必要はない。ほとんどの人は今起きていることに心から興味を持てば容易にそれができるようになる。そして、その興味を持つことを可能にする特性は好奇心だ。


