対象となった63の国・地域は、Nomad Capitalistの顧客層が関心を寄せる場所に基づいて選出された。今回のインデックスは初公表となるが、これは2019年、2021年、2024年に35の沿岸地域を対象に作成された同社の「ビーチ・インデックス」を発展させたものだ。「モナコ、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、シンガポールなど、顧客から最も問合せの多い場所がビーチ中心のリストには含まれていなかったため、対象を63カ国・地域に拡大しました」とゲルバキアニは述べる。
また、新しいインデックスは優先順位の変化も反映している。従来のビーチ・インデックスが自然の美しさを重視していたのに対し、今回のインデックスでは、税制や居住権といった実用的な要素にも同等の比重を置いている。
2026年に最も住みやすい国・地域、上位3カ国は接戦
では、どの国・地域が首位に立ったのだろうか。1位はモナコで、僅差でアンドラとUAEが続いた。マルタ、ポルトガル、キプロスも上位6カ国に入り、ヨーロッパ勢が上位を独占した。一方で、米国は63カ国中54位という驚くべき結果となった。
総合1位はモナコだが、トップ争いはきわめて接戦だった。モナコ、アンドラ、UAEの差はわずか0.74ポイントであり、事実上の同率と言える。「モナコは生活の質(100.0)、アンドラは安全性と自由度(96.0)、UAEは税制(96.0)で首位に立ち、3カ国の差はわずか0.74ポイントです。そのため、最高のインフラを求めるか、死角のない環境を求めるか、あるいは税負担を最小限に抑えたいかによって選択肢が変わってくるでしょう」とゲルバキアニは話す。
フレンチ・リヴィエラに位置する小さな公国モナコは、総合スコアで73.89を獲得した。これは、63カ国で唯一「生活の質・インフラ」カテゴリーで満点を獲得したことが大きい。安全性や税制でも極めて高い評価を得ているが、自然環境や居住権の取得やすさでは大幅に順位を落とした。
フランスとスペインの間に位置するピレネー山脈の小国アンドラは、73.68ポイントで僅差の2位となった。最大の強みは安全性と自由度で、スイスやリヒテンシュタインといった評価の高い他の欧州諸国を上回る96ポイントを獲得した。生活の質の突出したスコアに大きく依存するモナコとは異なり、アンドラは複数のカテゴリーでバランスよく高スコアを獲得している。
UAEは極めて有利な税務環境に支えられ、73.15ポイントで3位となった。個人所得税が存在せず、条件や控除が適用される法人税率も9%にとどまり、広範な国際租税条約ネットワークを有するため、要件を満たす居住者には多大な財務上のメリットをもたらす。


