共有すべきではなかった情報をチャットボットに入力してしまった場合、講じられる手段はチャットの削除、アカウントの削除、またはプロバイダーに直接連絡してデータの削除を請求することに限られる。GDPR(EU一般データ保護規則)などのデータ保護規制に基づき、個人には自身の個人データの消去を請求する権利が認められている。
また、ChatGPTやClaudeの設定を変更し、他のユーザー向けにモデルを改善するためのデータ保持機能を無効にすることで、セキュリティを高めることもできる。あるいは、一時チャットを利用すれば、人間の評価者にさらされるリスクを抑えつつ迅速にチャットを行うことができる。例えばChatGPTの場合、一時チャットはOpenAIのモデル改善には使われず、30日以内に削除される。
GeminiやChatGPTなどの一部のチャットボットには、過去のチャットからの情報を記憶して回答をパーソナライズするメモリー機能が備わっている。モデルが過去のチャット情報を記憶しないようにしたい場合は、設定から保存されたメモリーを削除し、この機能を完全に無効化することを検討すべきだ。
AIツールが信頼できるかどうかを判断する方法
AIツールが信頼できるかどうかを判断するのは難しい。ChatGPT、Claude、Geminiといったブラックボックス型のソリューションは広く知られた企業によって開発されているが、ユーザーがデータ共有をオプトアウトしていても、自分のデータが第三者に露出しないという保証は存在しない。
AIの誤りをチェックしたり、AI詐欺の最中に本人確認のため友人に電話をかけたりするのと同様、主体的に行動するのが最善だ。いずれにせよ、露出の程度を把握するため、ツールのデータ共有ポリシーを確認するのはよい考えだ(DeepSeekのプライバシーポリシーを読めば、同社が中華人民共和国でデータを収集・処理していることがわかる)。ツールに情報を共有する前に、その情報がどこで処理されるのかを把握しているか、またその情報が公開されても構わないかを自問すべきである。そうでないなら、プロンプトを入力しないのが最善かもしれない。
チャットが非公開に見えるからといって、その内容が基盤モデルに取り込まれていない、あるいは人間の評価者に確認されていないことを意味するわけではない。チャットボットに共有するすべてのものが非公開であるわけではないのだ。ある程度の不信感を持つことが、自分の情報が悪意ある者の手に渡るのを防ぐ助けになるだろう。


