消費者信頼感が低下し、中小企業の経費が上昇し、さらにガソリン価格をめぐる懸念とそれが家計に及ぼす影響が続くなか、経営者であれ会社員であれ、将来に多少の不安を覚えるのも無理はない。
特に強いプレッシャーを感じている層の1つがミレニアル世代だ。グラスドア(Glassdoor)の最新レポートによれば、ミレニアル世代の76%が自身のキャリアパスに疑問を抱いており、68%がキャリアの不確実性を理由に人生の重要な節目を先送りにしているという。そこで彼らは今、不確実性に対抗する手段として「スタビリティ・スタッキング(安定の積み重ね)」を実践している。
同レポートによると、「スタビリティ・スタッキングとは、スキル、選択肢、収入、人脈など、複数の安定源を重ねていくキャリア戦略であり、特定の仕事、上司、業界の変動によって自分が打ちのめされることがないようにするものだ」とされている。
スタビリティ・スタッキング計画において最も重要な要素の1つが副業だ。週にわずか3〜5時間の副業であっても、毎月の銀行口座に必要不可欠な追加収入をもたらすことができる。レンディングツリー(LendingTree)の調査では、副業をしている人の61%が「副業による追加収入がなければ生活が成り立たない」と回答している。
しかし、副業を始める理由は追加収入や経済的安定だけではない。副業が安定を築き、さらにはキャリア成長の機会をも生み出す5つの方法を紹介する。
1. 収入源の分散
一見安定した収入があるように見える人であっても、複数の収入源による多様なポートフォリオの恩恵を受けることができる。分散化により特定の収入への依存度が下がり、ある収入源が減少あるいは完全になくなった場合でも、大きな経済的打撃を受けにくくなる。
2. 新しいキャリアパス
優れた「スタビリティ・スタック」とは、選択肢があるということ、言い換えれば新しい進路を選ぶ余裕があるということだ。副業はそこへの道を開いてくれる。本業や現在のキャリアとはまったく異なる業界で副業を始めれば、そこで身につけたスキルが新たな機会やキャリアパスへの扉を開くことがある。
3. 一社依存からの脱却
副業によるスタビリティ・スタッキングは、雇用主や他の主要な収入源への依存を減らすことを意味する。ジップリクルーター(ZipRecruiter)の調査によれば、副業は求職者に交渉力をもたらす。副業を持つ求職者は、仕事のオファーを断る確率がはるかに高く(49%対32.2%)、次の仕事が決まっていなくても離職する意向を示す割合も高い(46.9%対23.6%)。
4. 人脈の拡大
デロイトの調査では、副業を持つ人の3分の1以上が、副業は重要なスキルや人間関係の構築に役立っていると回答している。顧客やクライアント、あるいは業界内の人々とネットワーキングやビジネスイベントを通じて、自然と新しい人と出会うことになる。そこで築いた関係は、本業だけでは得られない新たな機会を生み出す可能性がある。
人脈が強固で広がりがあるほど、アクセスできる機会も増える。これは、自分の状況が変わった場合に特に大きな価値を発揮する。
5. 稼ぐ力の向上
新たに習得したスキルによって、稼ぐ力を高める機会も生まれるかもしれない。副業は、労働市場で需要のあるスキルを学ぶチャンスを与えてくれるからだ。たとえば、アップワーク(Upwork)のFuture of Work Indexによれば、AI関連サービスを提供するフリーランサーは、AIを取り入れていないフリーランサーに比べて時給が34%高いという。
副業は追加収入を得られる手段として人気があるが、その本質はそれだけにとどまらない。副業は「スタビリティ・スタッキング」の中核的な要素であり、より強固な経済的・キャリア的セーフティネットを築くうえで役立つ。さらに、それまで見えていなかった新しい進路を切り開いてくれることもある。選べる副業は数多くあるので、人気のアイデアをチェックして、積み重ねを始めてみよう。



