率直さよりも同調をうっかり評価してしまう
臆病でアイデアを共有したがらないチームを意図的に作ろうとするリーダーはほとんどいない。それでも、リーダーが発するシグナルは、しばしば同調に報いるものになっている。懸念を口にする人は「扱いにくい」との評判がつき、同調する人は「チームプレーヤー」として称賛される。時間が経つにつれ、従業員はどちらが安全かを学んでいく。
その学習は容易には覆らない。発言することが自分の立場へのリスクに感じられるようになると、深刻な問題についてさえ多くの人が沈黙を守ってしまう。2026年のHarris Pollの調査では、有害な上司を持つ労働者の63%が、「過敏すぎる」「チームプレーヤーではない」と見なされることを恐れて行動を報告していなかったと答えている。意図せずとも同調に報いることは、リーダーが最も必要とする率直さを失わせかねない。
異論を「当たり前」にするための4つのアプローチ
1. 異論を促す質問を投げる
「何か質問はありますか」と聞いても、たいていは無言のうなずきが返ってくるだけだ。代わりに、どんな計画にも盲点があることをまず認めたうえで、「見落としている点はないだろうか」「何があればこの計画は失敗するだろうか」と尋ねてみよう。こうした問いは「見つけるべきものがある」という前提に立っているため、メンバーも指摘しやすくなる。
2. 議論の前に意見を集める
重要な意思決定会議の前に書面での意見提出を求めるか、発言が始まる前に数分間、自分の見解を書き出す時間を設ける。そうすれば、最も上位の人物や声の大きな人の影響を受ける前に、全員の考えが記録される。じっくり考える時間を好む人にも公平に貢献する機会が与えられる。
3. 異論を唱えたメンバーに感謝を伝える
「そのリスクは考慮していませんでした。指摘してくれてありがとう」といったように、皆の前で具体的に感謝を伝える。チームメンバーは、発言した人に何が起きるかを注視している。多様な意見が歓迎される環境があれば、異論も共有されやすくなる。
4. 「あえて反対する役割(デビルズ・アドボケイト)」を割り当てる
重要な会議では「あえて反対意見を述べる役(デビルズ・アドボケイト)」を交代制で割り当て、計画の検証や異論の提示をその人の役割とする。与えられた役割であれば、反論しても「扱いづらい人」と思われるリスクはない。時間をかければ、異論を唱えることに抵抗がある人を含め、全員が議論の練習を重ねることができる。
思いやり(カインドネス)と率直さ(キャンダー)は両立できる。目指すべきは、結果を恐れることなく、また「好かれること」と「誠実であること」のどちらかを選ぶ必要もなく、今後の意思決定について率直な意見を共有できるチームだ。


