AIデータセンターの建物も共通化、競合AMDが参加する理由
米国時間2026年10月12日の発表には、エヌビディア製ラックの設計公開に加え、ラックを収容するデータセンターの建物を共通仕様にする計画という別の柱があった。ここには、AI半導体市場でエヌビディアに最も近い競合企業であるAMDも参加した。
エヌビディア、AMD、グーグル、メタ(Meta)の4社が共同で支持したのは、「Open Data Center Specification」と呼ばれる共通指針だ。データセンターの機器配置、電力供給、冷却方法を対象とし、現行版はバージョン0.7の草案となっている。グーグルとメタは、世界でも特に多くのAI半導体を購入する企業に数えられる。
AMDの「Helios」は、メタが公開した別のラック規格を採用
競合するAMDが建物の共通化を支持するのは、エヌビディアとは異なる設計の自社ラックを設置しやすくなるためだ。AMDの新型AIラック「Helios」は、エヌビディアのMGXではなく「Open Rack Wide」という設計に基づいている。Open Rack Wideは、メタが2025年にOCPを通じて導入した規格だ。
共通指針は、ラックを置く床面積、電力供給、冷却方法について共通ルールを定める。指針に沿って作られたデータセンターのサーバー室には、エヌビディアとAMDのどちらのラックも設置できる。AMDにとっては、エヌビディアの製品を前提に設計されるはずだった建物へ参入する手段となる。建物が共通の土俵となることで、両社の競争はラックそのものへ移る。
2系統の公開規格が競合、部品メーカーは受注の多い設計を優先
エヌビディアが同じ週にMGXの新設計を公開したことで、エヌビディアのMGXとAMDが採用するメタ主導の規格という、異なる2系統の設計が並んだ。冷却プレート、電源レール、サーバー用トレーを作る企業は、顧客からの注文が多い規格向けの部品を優先して製造する。
エヌビディアがMGX 1.2に基づくラックの設計図を無償公開したのは、部品メーカーにとって自社ラックを最も作りやすい選択肢にするためだ。ラックの設計を普及させれば、エヌビディア製半導体が使われる機会も増える。
AMDのラック設計を支援するメタは、エヌビディア製のネットワークスイッチ「Spectrum-X」と「Spectrum-6」を巡り、オープンネットワーク技術で協力することも明らかにした。
エヌビディアとAMDは、共通の仕様で整備されるデータセンターに、それぞれのラックを設置してもらおうとしている。エヌビディアはVera Rubin向けラックの設計図を無償公開した。公開された図面に基づいて製造されるVera Rubinラックは、エヌビディア製半導体を満載するキャビネットになる。
我々は2015年からエヌビディア株を保有している。同社は業界全体に対し、エヌビディア製半導体を搭載するラックを製造しやすくした。エヌビディア株を買い続ける理由になる。


