AI

2026.10.16 11:00

ザッカーバーグが放つメタの新AI「Muse Wonder」、長く続く作業に強い文書特化型モデル

abdelaziz - stock.adobe.com

人間と同様にパソコンを操作、ブラウザーやアプリでの作業を代行

Muse Wonderは、人間がノートパソコンの前に座って作業するのと同じように、コンピューターを操作することにも長けている。ブラウザーのほか、パソコン用とスマートフォン用のアプリを動かせるのだ。メタはMuse Wonderについて、「長い作業の段取りを立て、作業の一部をサブエージェント(補助役のAIエージェント)に任せ、エラーが起きても立て直す」と説明している。

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こうしたパソコン操作の機能は、AnthropicのClaudeのモデルができることに倣ったもので、誰もが話題にしているエージェント型AIの流れにも沿っている。つまり、Muse Wonderに必要なものを渡して任せてしまえば、あとは勝手にキーを「たたき」続けてくれるということだ。もちろん、実際にキーをたたくわけではないが。

AI競争に出遅れたメタが一転、話題と高評価を集める

AIの専門家でジャーナリストのトーマス・スミスは、米ビジネス誌ファストカンパニーの記事で、Muse Wonderに先立ってメタが公開したAIエージェント「Muse」について、次のように書いている。

「メタは何年もの間、AIという宴に大きく出遅れているように見えた。言い訳のきかない遅れだ。メタを、もう勝負にからめない『その他大勢』として片づけたくもなった。ザッカーバーグはメタバースの惨憺たる失敗にまだ懲りていて、今回の革命には加わらないつもりなのかもしれなかった。

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そこへ、Museが登場した。このプラットフォームは、ほとんど一夜にしてメタの競合からシェアを奪い始め、目を見張る速さで成長した。公開から1カ月たたないうちに、Museのダウンロード数は660万件に達した。さらに目を引くのは、1日あたりのアクティブユーザー数が180万人に上ったことだ。

米金融大手シティグループは、Museがかなり短い期間で270億ドル(約4兆2700億円)の売上高を生む可能性があるとみている。つまりメタは宴に遅刻したわけだが、いざ到着してみると、誰もがこの会社の技術の話ばかりしている」。

なお、スミスの記事が引いている報道によれば、シティグループのこの予測は、2030年までに年間270億ドル(約4兆2700億円)を超える売上高を見込むものである。

ベンチマークの成績──Muse Wonder Fullは総合指標で56点、Claude Sonnet 5.5と同点

Muse Wonderが、AIモデルを評価するためのさまざまなテストで高い点数を得ていることも、その実力をうかがわせる。

レビュー記事によれば、AIモデルの性能を独自に比較・評価しているArtificial Analysis(アーティフィシャル・アナリシス)の総合指標「Intelligence Index」で、Muse Wonder Fullは56点を獲得している。AnthropicのClaude Sonnet 5.5と同点で、OpenAIのGPT-6 Astra、グーグルのGemini 4 Argon、AnthropicのClaude Fable 5.1は、いずれもこれをわずかに下回る。標準のMuse Wonderは52点だという。なお、同じ指標では、AnthropicのClaude Opus 5.5は58点で、Muse Wonder Fullを上回っている。

実在するソフトウェアの不具合報告をもとにAIに修正を書かせる「SWE-bench」などの成績も、確かめてみるとよい。

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翻訳=酒匂寛

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