2026年11月30日までの割引が導入を促し、他社への乗り換えを難しくする
Argonの導入価格は、入力100万トークン当たり2ドル、出力100万トークン当たり10ドルだ。トークンは、AIが文章などを処理する際に使う単位を指す。過去に処理した入力を再利用するキャッシュ機能を使えば、入力料金は95%安くなる。グーグルの発表には値上げ時期も明記されている。12月1日からは、入力が100万トークン当たり4ドル、出力が20ドルとなり、いずれも2倍になる。
eeselとApidogの料金比較によると、Argonの導入価格はOpenAIのGPT-6.1 Solと同額だ。アンソロピック(Anthropic)のClaude Sonnet 5.5とも同水準となる。割引終了後はClaude Opus 5.5と同水準になる。OpenAIのGPT-6 Astraは、入力100万トークン当たり10ドル、出力100万トークン当たり50ドルだ。
販売開始時に安い料金を設定して市場に浸透させる「市場浸透価格戦略」に、値上げ期限を組み込んだ形だ。約7週間の割引期間があれば、企業の開発チームはArgonを業務システムに組み込み、AIへの指示文や性能の評価方法、キャッシュの使い方を調整できる。調整が進むほど別のモデルに切り替える手間と費用が増え、グーグルが顧客を維持しやすくなる。
トークン単価が同じでも、作業1件当たりの費用は大きく変わる
企業が実際に支払う金額は、トークン単価だけでは決まらない。AIが作業を終えるまでに出力する文章などの量も、請求額に影響する。AIモデルの性能を比較するArtificial Analysisは、独自指標「Intelligence Index」でArgonの「high」設定に53点を付けた。同社のデータを引用した料金分析では、評価課題1件を処理する費用は導入価格で1.99ドル、通常価格で3.98ドルとされる。
eeselの分析によると、トークン単価がArgonと同じGPT-6.1 Solなら、同じ課題を0.72ドルで終えられる。Argonは課題1件を処理する際、出力トークンを約6万2000個生成するためだ。料金表ではトークン単価が目立つが、請求額は入力・出力それぞれの使用トークン数で決まる。


