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2026.10.15 14:45

フランスは破綻寸前ではない──しかし、毎年約12兆円を捻出しなければ借金は膨らみ続ける

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資産を売れば、フランスは苦境を乗り切れるのではないか

もっともな反論だ。フランスの名誉のために言っておくと、この家計は文無しではない。企業の株式、ほかに貸し付けたお金、銀行預金など、約4万5000ドル(約716万円)相当の貯蓄や投資を持っている。これを時価で評価し、借金から差し引くと、正味の借金は約7万4000ドル(約1177万円)になる。スペインの7万5000ドル(約1193万円)に近く、イタリアの12万3000ドル(約1956万円)よりはるかにましだ。しかも、この家計のご近所にあたるフランスの一般家庭も、よくお金を貯めている。国の所得10万ドルあたり約24万9000ドル(約3959万円)の金融資産を持っており、政府にお金を貸す余力は十分にある。

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つまり、フランスは今すぐ破綻するような状態ではない。とはいえ、資産を売って片づくのはその年の分だけで、毎年の分までは片づかない。貯蓄の10分の1を売れば4500ドル(約72万円)が入る。これで年2400ドルの差を埋められるのは2年足らずだ。その後は再び雪だるまが転がり始める。しかも、売った投資からそれまで入っていた収入は、もう入ってこない。

もしフランスが破綻したら──2011年のユーロ危機をもとに最悪シナリオを見積もる

では、もし本当に破綻したらどうなるのか。豊かな国がデフォルト(債務不履行)に陥る事態を想像したことのある投資家は、ほとんどいないだろう。そこで、私たちが代わりに考えてみた。2011年のユーロ危機が株式やユーロ、米国債にもたらした影響をもとに、最悪のシナリオを見積もった。その数字は身の引き締まるものだ。だが、そうした事態が起きにくいことを示す数字もまた、はっきりしている。

注視すべきは、フランス10年物国債の利回りが成長率を超えているかどうか

注目すべき数字は1つ。 フランスの10年物国債の利回り(約4.8%)と、所得の伸び率(約2.5%)の関係だ。利回りが所得の伸び率を上回っているかぎり、雪だるまは大きくなり続ける。フランス国債は、すでにイタリア国債より高い利回りで取引されている。2011年のユーロ危機では、ユーロ圏の株式が5カ月で36%下落した。

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米国も今や不合格だが、差はわずかでリスクはインフレの側にある

米国も、同じ2つの物差しに引っかかるようになった。 米国の借金は所得より速く増えている。所得10万ドルあたり年に約7500ドル(約119万円)を借りているが、借金の比率を一定に保つなら約6100ドル(約97万円)で済む。さらに、10年物国債の利回りは約5.25%と、所得の伸び率の約4.9%を上回るようになった。その差はわずかで、しかも米国は自国の通貨を刷ることができる。そのため米国のリスクは、デフォルトではなくインフレである。関連記事:"$38 Trillion U.S. Debt: Too Big To Go Broke?"(38兆ドル[約6042兆円]の米国の借金は、大きすぎて破綻しようがないのか)。

企業や家計も、借金と金利を収入の伸びと比べれば危うさが分かるか

同じ物差しは、どんな借り手にも当てられる。 企業でも、自治体でも、あなた自身の家計でもよい。借金は収入より速く増えているか。新しい借金の金利は、収入の伸び率を上回っているか。答えが2つとも「はい」なら、問題は放っておいても雪だるま式に大きくなっていく。

結論:フランスのデフォルト論は先走った話、問われるのは年々積み上がる赤字

フランスの問題は、資産と借金を差し引きした返済能力(ソルベンシー)よりも、毎年の借金の増え方(フロー)にある。そして、残された時間は刻々と減っている。

正味の借金はスペインと同程度なので、デフォルトを論じるのは、数字が示すところより先走った話だ。だが、フランスの借金は所得より速く増えており、新しい借金の金利は所得の伸び率のほぼ2倍に達している。年に約700億ユーロを捻出できなければ、借金は増え続け、2030年ごろには利払いがイタリア並みの水準に近づく。資産を売れば1、2年は時間を稼げるが、解決策にはならない。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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