ロシア体操連盟は「オランダ当局の措置を、世界選手権のメダルや五輪出場枠を争う最強の体操選手たちを意図的に排除する試みだとみなしている」と表明した。
ビザ発給拒否により、メルニコワ、リストゥノワ、カルミコワの3選手は事実上、世界体操2026への出場を禁止されたことになる。この大会は2028年ロサンゼルス五輪の団体出場枠がかかっており、ロシア女子団体代表の五輪出場にも黄信号が灯った。
「不公平だ」とメルニコワはSNSに投稿した。「あの子とこの子、その子は抜きで競技をしよう、と決定したみたい。とにかく不公平な大会、不公平な五輪選考会だ」
ロシア体操連盟は「ロシア選手に対する直接差別であり、五輪選考における平等原則の重大な違反だ」と主張している。
ロシア体操連盟、異議申し立てへ
ロシア体操連盟は、オランダ当局の決定に異議を申し立てる方針だ。もっとも連盟関係者は、体操の国際統括団体ワールドジムナスティクス(旧国際体操連盟)の支持は得られていないことを認めている。筆者はワールドジムナスティクスに4回にわたり問い合わせたが、回答は得られていない。
フォーブスはオランダ外務省と保健・福祉・スポーツ省にも取材を試みたが、いずれも回答はなかった。
ロシア体操連盟は「五輪出場資格獲得のための平等な条件の確保」を最優先事項として、国際オリンピック委員会(IOC)とワールドジムナスティクスに今回の決定に対する不服申し立てを行う意向を示している。
世界体操2026は10月17日開幕で、ビザ発給の期限が迫っていることから、連盟としては世界体操への出場よりも五輪出場枠の確保に重点を置いているようだ。
前回大会ではイスラエル選手にビザ拒否
昨年インドネシアで開催された世界体操2025では、イスラエル選手団がビザ発給を拒否された。インドネシア政府は開幕直前に、イスラエル代表選手6人にビザを発給しないと発表した。
このときも国際体操連盟(FIG)は筆者の問い合わせには応じなかったが、同日「インドネシアの決定に留意する」との短い声明を発表した。
イスラエル体操連盟は、スイス・ローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)にFIGを相手取って2件の異議申し立てを行ったが、FIGは入国ビザに関しては権限を持たないとして、インドネシアの対応は「完全にFIGの管轄外」だと主張した。
結局、世界体操2025はイスラエル選手不在のまま開催された。10月13日現在、ロシアの女子体操トップ選手たちも同様の事態に直面しそうだ。


