「バード・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」優秀作品
「光の玉のロケット(Sunball Rocket)」
「端正な顔をしたシロカツオドリは、2つの顔を持っている」と、撮影したスピアーズは話す。「生まれたてのヒナは、巣の中で大切に育てられる。また、つがいは鋭いくちばしを空に向け、白い首を寄せ合って優しくなであい、絆を深める。しかし、いったん空に飛び立つと狩りのスイッチが入り、青い輪で縁取られた黄色い目を鋭く海に向けて獲物を探す」
魚を見つけると、シロカツオドリは風に逆らって飛びながら翼を広げてブレーキをかけ、獲物と自分との位置関係を正確に調整する。そしてその直後、翼を体にぴたりと折りたたみ、尖った魚雷へと変身すると、最大時速86kmものスピードで海へと飛び込む。
オリンピックの飛び込み選手ですら、時速60kmを超えることはない。シロカツオドリの体は、海に飛び込んだ瞬間の衝撃に備えられるつくりをしている。首の筋肉で椎骨が固定され、顔と胸にある気嚢(空気をためたり送り出したりする袋状の器官)がエアバッグの役割を果たす。鼻孔も、水中で活動できるよう進化しており、狩りのさなかに水が入ってこないよう嘴(くちばし)の内側に位置している。
「再び魚獲りへ(Back to Fishing)」
「南極の雄大なシャルコー湾でシュノーケリングをしていると、たくさんのジェンツーペンギンが不意に現れた。オキアミを食べに行く群れだった」と話すのは、ロマン・バラッツだ。「ペンギンの代表格であるジェンツーペンギンは、好奇心が旺盛なので、私が敵か味方かを探ろうと、まっすぐこちらに向かってきて、しばらくのあいだ、ものすごいスピードで周囲を泳ぎ回っていた」
「みんなが濡れないように(I’m Keeping Everyone Dry)」
オーストラリア・パースの森では、雨粒が木々のあいだを縫うように落ちてくる。羽根が生えたばかりのオーストラリアガマグチヨタカは、周囲の樹皮や影に紛れるようカモフラージュしながら翼を広げている。きょうだいが雨に濡れないよう、守っているかのようだ。大きな丸い目と開いた口が愛らしい1枚だ。
「盗み寄生(Kleptoparasitism)」
メキシコ・ユカタン半島の東海岸に位置するトゥルムの浜辺では、漁師が不要として捨てた魚を巡って、上空で小競り合いが頻発する。数m上空を旋回しているアメリカグンカンドリに向かって漁師が魚を放り投げるたび、頭上は大騒ぎだ。
「黄昏時のパフィン(Sunset Puffin)」
「早朝や、日帰り観光客が帰ったあとの夕方にパフィン(ニシツノメドリ)を撮影しようと、スコマー島に何日か滞在した」と、ヴォルカー・ウィドマンは語る。「日が沈みかけたパフィンの営巣地で、海の反射光を背景に、このパフィンを撮影した」。


