恋愛関係における「称賛効果」
誰もが重視する特性については、「対等」であることが最も望ましいものではなかった。恋愛関係の質が最も高くなったのは、相手を自分より高く評価している場合だった。自分と同じくらい良い人ではなく、自分よりも優れている人だと評価していた。
私はこれを「称賛効果」と呼んでいる。食卓を挟んで向かい合う人が自分よりも親切で魅力的だと固く信じている状態のことだ。
これは自信を失わせる原因になりそうに聞こえるが、データが示しているのはその逆だ。長い1週間を終えた後でも、配偶者が子どもたちに対していかに忍耐強く接しているかに感心し、自分にはそんな忍耐力はないと確信している人を想像してほしい。それは自己批判ではない。相手に対する一種の持続的な感謝であり、その感謝は2人の間の一つひとつの些細な瞬間の受け止め方に影響を与える。
「ポジティブ・イリュージョン」と「ミケランジェロ現象」
この研究結果は恋愛関係の科学で「ポジティブ・イリュージョン」と呼ばれる、すでに確立された考え方とも一致している。関係に満足しているカップルは、外部の人が見るよりも、パートナーをわずかに好意的にとらえる傾向がある。こうした寛大な見方は単に幸せな関係の副産物ではなく、その幸せを維持するのにも役立っている可能性がある。
その理由として挙げられているのが「ミケランジェロ現象」だ。これは、パートナーが自分の中に理想像を見いだし、それを後押ししてくれると、人はその理想像に向かって成長していく傾向のことだ。
それでも「類似性」が左右する場面
この研究には後半部分があり、そこでは称賛効果の適用範囲が明確になっている。政治的志向のような価値観に基づく特性では傾向が逆転した。重要だったのは「似ていると感じること」であり、カップルの間に何らかの隔たりがあると満足度が低くなる傾向があった。
これは直感的に納得できる。パートナーが自分より親切だと信じることで自分が失うものは何もなく、相手にとっては大きなプラスになる。だが、パートナーの政治的な考え方が自分の考え方より「優れている」と思って、温かい気持ちになる人はいない。価値観の違いは尊敬すべきものというより、2人の間の距離として受け止められる。
相手の「ありのままの姿」を称賛
つまり、秘訣は「すべてを称賛する」でも「すべてにおいて一致する」でもない。相手の「ありのままの姿」を称賛し、自分の信念を共有することだ。


