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リーダーシップ

2026.10.13 08:36

ガバナンスは守りから攻めへ、CEOが備えるべき新たなリーダーシップ能力

Adobe Stock

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かつてガバナンスといえば、特定のファイルへのアクセス権限を持つ者や、クライアント向けの大型プロジェクトの最終承認を行える者を指していた。しかしAIの時代においてガバナンスは、事業を倫理的かつ価値観に基づいて運営するのか、それとも目の前の事態に単に追従するだけなのかを左右する、不可欠なリーダーシップスキルとなった。それはもはや単なるコンプライアンス機能ではなく、自らの追いつけないスピードで変化する環境を乗り切るために、優れたCEOが活用するツールなのだ。

先月、AIツール「Claude」の開発元であるAnthropicの研究者が、同技術に関わる人々は「それが10年以内に私たち全員を死に至らしめる可能性があると真剣に信じている」と述べた後に辞職した。こうした警告だけが、意思決定をめぐる緊急性を高めているわけではない。リーダーは、サイバー攻撃、地政学的不確実性、サプライチェーンの混乱といった脅威に加え、法改正のペースの加速や規制当局による監視強化にもますます直面している。米国の経営幹部を対象としたKPMGの2025年調査では、52%の組織がリスク対応能力とレジリエンス能力を効果的に統合できていないことが明らかになった。

こうした背景において、先の読めない時代だからこそ、ガバナンスは単なるチェックリストの消化以上の存在でなければならない。価値観に基づいた方法で事業を統治すれば、他のすべてが不確実に思える状況でも正しい決定を下すことが可能になる。筆者は、過去に倫理よりも売上目標を優先することで知られていた人材業界において、自身が率いるTiger Recruitmentで身をもって手本を示そうと努めている。

確かに、ガバナンスとは法規制やデジタルの進歩を常に把握することである。しかし同時に、自分が下す意思決定と、それが従業員、顧客、その他のステークホルダーに及ぼし得る影響に対して、相応の注意と配慮を払うことでもある。優れた倫理的な企業は不測の事態に備えるが、リーダーは会社の健全性を守るためであれば、難しい(あるいは不人気な)決断を下す覚悟も持っている。そうした判断の材料とするために社内外のデータを集め、チームにはその判断を支える幅広い専門性があり、取締役会や信頼できるメンターといった重要なリソースを頼る。

また、何を委任しないかを理解することでもある。これは事業の性質やリーダーシップスタイルによって、リーダーごとに異なる。筆者は、自社に入ってくるすべての求人に目を配ることを重視している。そうすることで、マーケティングを強化すべき時期や追加のリソースを投入すべき時期を本能的に把握できるからだ。他のリーダーにとっては、それは対外発表に最終判断を下すことかもしれないし、取引しない顧客の種類を決めることかもしれない。だが、こうした意思決定は単独で機能するものではない。優れたガバナンスの枠組みがあれば、何かを誤った場合の結果がはるかに大きい局面でも、リーダーは自信を持って迅速に動くことができる。

優れたガバナンスの中心にあるのは信頼だ。それは経営幹部であれ、個々のマネージャーであれ、従業員の日常的な行動であれ変わらない。また、サプライヤーや請負業者、その他の第三者に関するガバナンス上の問題は、あっという間に自社の問題になり得るため、リーダーはより広いエコシステム全体を信頼する必要がある。倫理的価値観が組織全体を貫く一本の軸となっていれば、社内だけでなく社外においても優れたガバナンスが機能しやすくなる。そうでなければ、その理念は途中で形骸化してしまう可能性がある。

サイバー攻撃のリスクであれ、企業がAIをどのように進めるべきかという議論であれ、効果的なガバナンスにはガードレール(ルールや方針など)の構築だけでなく、明確な責任の所在が不可欠だ。誰が意思決定を行い、誰がリスクを引き受け、何か問題が起きたときに組織はどれほど迅速に対応できるのか。単なるコンプライアンスではここでは不十分であり、それでは企業が変化に対して常に後手に回ることになりかねない。

今日のCEOにとっての課題は、ガバナンスそのものが進化する必要があるという点にある。数カ月ではなく数時間で顕在化し得るリスクに対して、従来型の構造や年次プロセスでは十分ではない可能性がある。取締役会や経営陣には、適切な情報へのアクセス、前提に疑問を投げかける能力、そして責任の所在に関する明確さが必要である。

最終的には、戦略的意思決定のプロセス自体にガバナンスを組み込むことが、より良いアプローチとなる。企業はより迅速にイノベーションを起こし、市場に一番乗りするよう常に圧力を受けており、イノベーションがリスクテイクと結びついている場合、統制はスピードを鈍らせるものと見なされがちだ。トップ自らが手本を示す効果的なガバナンスは、組織がリスクを回避するのではなく、どのリスクを取る価値があるかを理解することを意味するのだ。

(forbes.com 原文)

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