2023年設立のMoonshot AI、膨大な文書全体を処理できるAIで先行
ヤンは2023年にMoonshotを創業した。同社は現在、アジアの生成AI業界を牽引するエリート企業群を指す「AIタイガー」の1つとみなされている。同社が手がける大規模言語モデルの「Kimi」は、欧米の競合他社が長文コンテキストの処理を標準化するよりも早く、ユーザーが書籍一冊やコードベース、膨大な文書全体を処理できるようにした。同社はアリババなどの中国テック大手から連続した資金調達ラウンドで数十億ドルを集め、アリババは36%の株式を取得するとともに、Moonshotにとって不可欠なクラウドコンピューティング・インフラを提供した。
世界最大とされるオープンなAIモデル「Kimi K3」、米政界とシリコンバレーで論争を呼ぶ
今年初め、Moonshotは世界最大のオープンAIモデルとされる「Kimi K3」をリリースし、アンソロピックやOpenAIが提供するLLMの直接的な対抗馬として浮上した。基盤となるシステムが非公開であるChatGPTやClaudeといった独自のモデルとは異なり、Kimi K3は開発者がAIをダウンロードして実行、変更できる「オープンウェイト」モデルだ。このKimi K3のリリースにより、ワシントンやシリコンバレーではオープンソースAIの規制や、米国の技術的優位性の持続期間をめぐって激しい議論が巻き起こった。
中国「AI六小虎」は香港市場で相次ぎ新規公開、Z.aiとMiniMaxが2026年1月に先陣
中国の「AI六小虎」(AIタイガー。Z.ai、Moonshot AI、MiniMax、Baichuan、StepFun、01.AIの6社)は、事業拡大のための資金確保に向けて香港でのIPOを積極的に活用している。
今年1月にはZ.aiとMiniMaxが上場し、それぞれ約65億ドル(約1兆400億円)の評価額で約5億5000万ドル(約880億円)と6億ドル(約1000億円)を調達した。StepFunも2027年初頭のIPOに向けて準備を進めている。こうしたトレンドは米国とは対照的だ。
米国ではOpenAIとアンソロピックが非上場、資金消費の速さとバリュエーション高騰が懐疑を招く
米国ではOpenAIやアンソロピックといった市場リーダーが非公開企業のままであり、バーンレート(訳注:一定期間における現金支出の速度)の高さや上場時のバリュエーションの高騰などにより、AI企業のIPOに対する懐疑的な見方が強まっている。


