資産運用

2026.10.13 07:00

7〜9月の金鉱株、セクター別で最高のリターンに 目先の「金価格下落」に惑わされるな

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一部の投資家は押し目買いに動いた

金を買い支えているのは中央銀行だけではない。上場投資信託(ETF)を通じて金を購入している一般の投資家も、売りに動かず持ちこたえている。

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過去1年の大半を通じて、ETFが保有する金の量は金価格とほぼ連動して推移していた。8月下旬になって、両者の動きが分かれ始めた。金価格が1トロイオンス約4650ドルから4157ドルに下落した一方、ETFの金保有量は増え続け、過去1年で最高の水準に並ぶ約1億90万トロイオンスにのぼった。

金現物を裏づけとする米国上場のETFには8月に79億ドル(約1兆2500億円)の資金が流入し、9月も38億ドル(約6000億円)の資金流入があった。金価格が下落しても投資家が買い続けていることは、金に対する投資家の信頼がなお高いことを示している。

依然として関心の薄い金鉱株

ここで話を金鉱株に戻したい。先に触れたように金鉱株のリターンは7〜9月期に好調だったが、これは一時的なものではない。NYSE Arca金鉱株指数は過去5年間で約240%上昇している。ちなみにこの間の金自体の価格上昇率は137%前後となっている。

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それなのに、大半の投資家はいまだに金鉱株に注目していない。世界の株式時価総額に占める鉱業株の割合は2%ほどにすぎず、55年間で最低の水準に沈んでいる。世界の金鉱会社上位50社の時価総額を足し合わせても、エヌビディア1社に及ばない。

こうした現状は、企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)に見合っていない。鉱業株投資を専門とするニューズレター「Paydirt Prospector」のジェフ・クラークによると、鉱業企業の1株あたりフリーキャッシュフローは2020年以降10倍に増えた。また、鉱業セクターの益回り(1株あたり利益を株価で割ったもの)は約12%と全セクターのなかで最も高い。

簡単に言うと、これらの企業は投資家がその株式に払っている値段に比べて、相当高い収益を上げているということだ。

鉱山業界の内部関係者も同じ見方をしているようだ。鉱業大手による同業他社の買収を模索する動きが再び活発になっており、最近も南アフリカの金鉱大手ゴールド・フィールズがオーストラリアの同業ノーザン・スター・リソーシズに対し、387億豪ドル(約4兆2800億円)規模の買収を提案している。ノーザン・スターは9月末、提示額が低すぎるとして拒否したことを明らかにした。

一方、株式市場全体は史上最高圏にあるが、これはごく少数のビッグテック株に大きく依存しているのが実情だ。米銀JPモルガンは先ごろ、インデックス型(指数連動型)ファンドに投資していれば分散投資ができていると考えるのは間違いだと投資家に注意を促している。まったく同感である。

不振な月が一度あっただけでくじけない

当面は債券市場が主導権を握り続けるだろう。明るい材料は、8月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率が市場予想を下回り、10月にFRBが追加利上げに踏み切るとの観測が後退したことだ。

歴史的な傾向が当てはまるとすれば、この先は季節的に金に有利な時期を迎える。過去10年、金価格は10月に平均で約1.6%上昇しており、12月と1月は年間で最も上昇率の高い月になっている。もちろん、過去の実績は将来の結果を保証するものではない。一方で、この時期がラブ・トレードのシーズンと重なるのも確かだ。

今年の金相場は荒い展開となっており、今後も変動がありそうだ。筆者は常々、資産の10%を金に配分し、内訳は現物金に5%、優良な金鉱株に5%とし、定期的にリバランス(配分調整)することを推奨してきた。あるひとつの月が不振だったからといって動揺せず、長期的な視点で組んだポジションを手放さないようにしたい。

(forbes.com 原文)

翻訳・編集=江戸伸禎

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