2026年10月5~11日の週(現地時間)、サウジアラビアの首都リヤドにある国際空港が3度目の攻撃を受け、12人が死亡、300人以上が負傷した。空港の燃料貯蔵施設も被害を受けたが、イエメンの武装勢力フーシ派は犯行声明を出していない。イランの支援を受けるフーシ派はこれに先立ち、メディナとメッカへの渡航を除き、サウジアラビアの空港を利用しないよう航空会社と乗客に警告していた。
フーシ派とイエメン政府の停戦は2026年7月に崩れ、その後、攻撃が激しさを増した。フーシ派はイエメン領土の最大3分の1を支配し、同国人口の約70~80%が暮らす地域を押さえている。サウジアラビアが支援するイエメン政府は、攻勢に成功し、バブ・エル・マンデブ海峡の支配権を奪還したと主張している。イエメン沖に位置する同海峡は、紅海とアデン湾、インド洋を結ぶ世界的な海上輸送の要衝だが、それ以前にはフーシ派がイエメン西部の港湾都市モカを占領し、海峡内のペリム島も掌握していた。
フーシ派の攻撃がサウジアラビアの航空便と株式市場を混乱させ、経済改革を脅かす
フーシ派による攻撃の激化は、サウジアラビアの経済改革の土台を揺るがしている。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が推進する「サウジ・ビジョン2030」は、石油への依存を減らし、経済を多角化する構想だ。経済目標の達成には国内の安定と安全が欠かせず、皇太子はサウジアラビアを中東で最も安全に投資や事業ができる国にしようとしていた。
しかし、フーシ派の攻撃はサウジアラビアの市場を動揺させ、企業活動を妨げるだけでなく、同国への旅行や観光にも不安を広げている。米国とイランの戦争によってすでに数十件のイベントが中止・延期され、サウジ政府は2026年末からの冬に、失われた経済活動の勢いを取り戻そうとしていた。10月8日には空港への攻撃を受けてリヤド発の定期便の70%が欠航し、サウジ証券取引所の株価指数も同日、2%近く下落して1月5日以来の安値を付けた。
サウジアラビアは米国とイランの戦争による深刻な経済的打撃をおおむね免れてきたが、フーシ派の参戦によって重要インフラが直接攻撃される危険が高まった。ホルムズ海峡の危機後に石油輸送に使われてきた、全長700マイル(約1127キロ)超の東西パイプラインも、攻撃によって輸送が妨げられる恐れがある。



