2027年のレアアース関連株を左右するのは政策支援と2種類の需要
2027年に向けて注目すべき要因は、米中間の供給網再編、電気自動車などに使われる永久磁石の需要、防衛・航空宇宙分野の需要という3つだ。政府支援を直接受ける企業と、磁石製造まで手掛ける企業では、恩恵の受け方が異なる。
米中関係が緊張する限り、中国国外の生産企業への政府支援が続きやすい
各国政府は最低購入価格の設定、製品の長期購入契約、企業への直接出資を通じて、レアアースの生産企業を支えている。米中関係の緊張が続く限り、供給網を中国国外へ移す政策も維持される可能性が高い。支援対象となる企業には、売上高を安定させやすいという利点がある。
EVや産業機器向けの磁石は、中国国外での生産拡大に商機がある
電気自動車などに使う永久磁石は需要が拡大しているが、中国国外での製造能力は需要に比べて小さい。レアアースを酸化物に精製するだけでなく、磁石まで製造できる企業なら、より有利な価格で製品を販売できる可能性がある。
戦闘機や誘導兵器は低価格より安定供給を優先する
レアアースは戦闘機、誘導兵器、レーダーシステムにも不可欠だ。防衛分野の買い手は安さより確実に調達できることを重視し、市場価格を上回っても購入する意思がある。そのため、防衛分野の顧客はレアアース企業にとって特に安定した販売先となる。
レアアース株のリスクは価格急落、工場建設の遅延、株式の追加発行
レアアース価格は大きく変動する。磁石の主原料となるNdPrは2025年10月頃から2026年10月頃までの約1年間で価格がほぼ倍増したが、中国が供給量を急増させれば同じ速さで下落しかねない。新たな生産能力の整備にも多額の費用と時間がかかる。元素を分離する化学工程は複雑で、鉱床によって原料の性質も異なるため、精製所の建設では予算超過や工期遅延が起こりやすい。
選んだ5社を含め、レアアース関連企業の多くはまだ黒字化していない。事業拡大に必要な資金を新株発行で調達すれば、既存株主の持ち分が薄まる可能性がある。政府の支援策も変更・撤回され得る。関連株はレアアースを巡る報道で大きく値動きしてきたため、上昇だけでなく急落にも備え、保有規模は控えめにする必要がある。
レアアース株は長期成長が見込めても、資産運用の中核には向かない
レアアース株とは、17種類の希土類元素を採掘・分離・精製したり、磁石などの製品を作ったりする企業の株式を指す。鉱山会社、精製会社、磁石メーカーが含まれ、複数の工程を自社で手掛ける企業も多い。
分散投資の中で、投機性を許容できる少額にとどめる
政府の支援と需要拡大は、レアアース関連企業の長期的な成長を支える材料だ。ただし、株価の割高感や値動きの激しさを考えると、運用資産の中心に据えるのは適切ではない。幅広い資産に分散投資するポートフォリオの中で、投機的な少額の投資先として位置付ける余地がある。
中国の輸出方針だけで株価が急変する可能性もある
業界には赤字企業が多く、レアアースの国際価格も不安定だ。中国政府が輸出方針を変更するだけで、関連銘柄が同じ日に一斉に大きく動く場合がある。市場全体の動きに対する株価の感応度を示すベータ値が1.5を大きく上回る企業も珍しくない。
(forbes.com 原文)


