血糖値は採血したその瞬間の血中糖分量を示すため、食事や運動、ストレスなどで1日のうちでも大きく変動する。食前に一時的に正常値へ戻るケースや、空腹時血糖値が低くても食後に急上昇するリスクなどがあり、血糖値の測定だけでは糖尿病予備群を見落としてしまう懸念が残る。これに対し、ヘモグロビンA1cは赤血球中のヘモグロビンと糖が結合した割合を示し、過去1~2か月の平均的な血糖状態を反映する。日々の変動に左右されにくく、いわば「血糖の通信簿」といえる指標なのだ。
ところが生活者側では、血糖値を知っている人のうち87.5%が「血糖値の測定やその数値によって、糖尿病予備群などのリスクを十分に把握できる」と回答している。医師の36.4%がヘモグロビンA1cを重視する理由として「血糖値では『予備群』を見落としてしまうため」と答えている事実とは対照的であり、「血糖値さえ見ていれば大丈夫」という思い込みこそが落とし穴となっている。

ただし、生活者でもヘモグロビンA1cの「意味まで知っている人」に限ると、70.8%が血糖値よりもヘモグロビンA1cを重視すると回答している。指標の名称だけでなく、その役割や意味を正しく理解することが、的確なリスク管理への第一歩となるだろう。

健康診断の結果が手元に届いた際は、血糖値の数値だけで一喜一憂せず、ぜひヘモグロビンA1cの値まで目を通したい。中長期の生活習慣を映し出す客観的な数値を把握し、将来の健康リスクを未然に防ぐ行動が求められる。
出典:日本生活習慣病予防協会「血糖値・ヘモグロビンA1cに関する意識調査(2026年9月)」より


