2~3年落ちのEVは最大316万円安く、テスラが販売上位を独占
中古EVの販売台数が2026年に19%増加した背景には、新車時からの大幅な値下がりもある。中古車販売大手のカーヴァナやカーマックスなどでは、2~3年落ちのEVが新車時より最大2万ドル(約316万円)安い価格で販売されている。
中古EV需要の拡大によって、特に恩恵を受けているのが米国のEV市場で最大のブランドであるテスラだ。カーヴァナの2026年上半期の販売実績では、テスラのセダン「モデル3」とSUVタイプの「モデルY」が中古EVの販売台数でそれぞれ1位と2位を占めた。
カーヴァナの広報担当者ハーパー・ワーナーによると、3位以下にはテスラの「モデルS」、フォードの「マスタング・マッハE」、ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ボルトEV」が続いた。
ハイブリッド車も好調、新車は22%増、中古車は30%超増
ガソリン価格の高騰は、EVだけでなく燃費の良いハイブリッド車の販売も押し上げている。特にトヨタの車種が市場をけん引している。
米国のハイブリッド車の新車販売台数は、2026年1~9月に前年同期比22%増加した。中古ハイブリッド車の販売台数も、同年上半期に30%超の伸びを記録した。ガソリン代を節約したい消費者の需要が、燃費の良い車全般へ広がっている。
新車EV販売は3割超減、米メーカーの国際競争力に懸念
中古EVが好調な反面、米国の新車EV市場は厳しい状況にある。2026年第1~第3四半期の新車EV販売台数は約70万台にとどまり、前年同期から30%超減少した。
新車EVの販売低迷は、世界市場で中国メーカーと競争する米自動車メーカーにとって深刻な問題となる。中国のBYD、上海汽車集団(SAIC)、ジーリー、NIOは、世界のEV市場で強い競争力を持っている。
米国は中国製EVに100%超の関税を課し、事実上、国内市場から締め出している。しかし、中国メーカーは米国外で急速に事業を拡大している。多くの車種が2万ドル(約316万円)未満で購入でき、ガソリン車より走行費用が安いことも販売を後押ししている。
米国の消費者は、GMやフォードが得意とする大型SUVやピックアップトラックを好む傾向がある。しかし、大型車は車両価格が高く、ガソリン価格の上昇によって維持費の負担も増えている。そのため、米国以外の市場では需要が伸びにくくなっている。


